抄録
心臓核医学検査は,心臓を構築する心筋の生理・生化学的側面,すなわち組織血流,生存性,代謝,収縮機能,神経機能などを主な評価内容として成人に広く用いられている.小児においては,同様の内容について種々の先天性ならびに後天性冠動脈疾患,心筋症,心筋障害,開心術後などを対象とするが,施行,解釈するにあたっては,小児の特殊性に対応した方法の工夫,画像所見の特性を認識することが重要である.同時に放射線被曝の低減にも考慮する必要がある.これらに配慮した良好な品質管理のもとで検査が行われれば,小児循環器分野においても成人と同様の有用性が期待できる.