日本小児循環器学会雑誌
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原著
小児循環器専門医制度における修練施設・施設群の年次報告:2011,2012年報告のまとめ
富田 英山岸 正明市田 蕗子坂本 喜三郎泉田 直己檜垣 高史土井 庄三郎安河 内聰岩本 眞理鮎沢 衛
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2014 年 30 巻 4 号 p. 431-435

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抄録

背景:日本小児循環器学会専門医制度委員会では2012年から前年における修練施設・施設群の年次報告を収集している.
対象と方法:2011年と2012年における施設状況・診療実績を2012年と2013年に収集した年次報告から解析した.
結果:(1)回答率:2011年には44修練施設,38施設群(97群内修練施設)に対して年次報告の提出を要請し,42施設(95.5%),35施設群(92.1%),81群内施設(83.5%)から回答を得た.2012年には同様に46/47施設(97.8%),34/38施設群(89.4%),85/94群内施設(90.4%)であった.(2)施設状況:専門医数は修練施設,施設群,群内修練施設別の中央値で,2011年,2012年ともに3,5,2であった.同様に修練医数は,2011年は3,4,2,2012年は4,4,2であった.(3)臨床実績:小児循環器疾患の入院数は修練施設,施設群,群内修練施設別の中央値で,2011年が242,252,85,2012年が270,233,94であった.同様に心臓カテーテル件数は2011年が127,102,31,2012年が146,105,22であった.一方,入院数では修練施設で100例未満,群内修練施設で50例未満が2011年/2012年それぞれ4(9.5%)/4(8.7%),9(11.1%)/14(16.5%),心臓カテーテル件数50例未満は修練施設2(4.8%)/2(4.3%),修練施設群5(14.3%)/3(8.8%)であった.
考察と結論:修練施設・施設群では修練医の数に見合う専門医が配置されている一方,修練施設,施設群とも付則で定められた基準を継続して満たすことが困難な施設があり,修練体制のあり方については見直しが必要な時期に来ているものと考えられた.

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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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