2016 年 32 巻 5 号 p. 432-436
TCPC(total cavo-pulmonary connection)手術後の蛋白漏出性胃腸症(protein-losing enteropathy: PLE)に伴う低IgG血症に対し,pH 4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)(Subcutaneous Immunoglobulin: SCIG)による在宅補充療法を導入した1例を経験した.症例は左心低形成症候群の21歳男性.5歳時にTCPC手術を施行,術後5年でPLEを発症した.15歳より感染症等によるPLE症状増悪時に静注免疫グロブリン(intravenous immunoglobulin: IVIG)補充を行い,20歳でSCIG在宅補充を導入した.8 g/週で開始したが血清IgGの上昇を認めず,16 g/週に増量した.SCIG使用前と16 g/週補充後を比較し,血清IgG値は370→484 mg/dLと上昇,血清アルブミンは2.7→2.4 g/dLと低下,入院日数は4.7→1.2日/月と減少した.SCIGにより血清IgGが上昇し,感染症による入院回避に効果があった.PLE患者への維持投与量は,重症度に応じた個別の検討が必要と考えられる.