2017 年 33 巻 2 号 p. 85-90
小児領域における心臓再同期療法(CRT)では,心構築異常がある場合とない場合で心室再同期のアプローチの仕方が変わる.心構築異常がない場合は十分に成人領域で培われた経験をもとに応用することができる.しかし,ただ体格が小さいだけではない小児のCRT適応患者に対してどのようにアプローチしていくか具体的に自験例をもとに解説する.また心構築異常を伴い複雑な心室形態を有する症例に対するCRTは,個々の症例ごとにペーシング部位や,植え込み方法を選択していかなければならない.小児の重症心不全治療におけるCRTの適正な導入を行っていくために,今後この領域でのさらなる知見の集積が望まれる.