2020 年 36 巻 3 号 p. 202-208
小児循環器の診療において,心臓血管外科と循環器科が分け隔てなく患者の治療方針について話し合うカンファレンスは非常に大切である.エビデンスが出にくく,正しい答えが必ずしも1つとは限らないこの分野において,患者を最善の結果に導くためのチーム医療を実現するためには,話し合いをするしかないのである.そのカンファレンスの質が保たれず,多忙を極める医師が漫然と集まっているようではいけない.また,人間はつねに様々な認知バイアスによって判断を歪められていることを認識する必要がある.意識的に効率的かつ効果的なカンファレンスを行い,外科医と内科医が協調して治療にあたることは,将来の心臓病の子ども達のより良い予後につながることが期待される.