2022 年 38 巻 4 号 p. 221-228
先天性心疾患患者の多くが成人に達する時代になり,先天性心疾患の半分以上は成人である.成人に達した先天性心疾患患者の死因として,不整脈と併せて問題になってくるのが心不全である.そのため心不全治療をすることで先天性心疾患の予後をさらに改善させることができると思われる.心不全治療で,外科的治療・カテーテルインターベンションと並んで重要なのが,薬物療法である.近年新規心不全治療薬が出現し,心不全薬物治療が変わりつつある.今後も新しい心不全治療薬が出現してくると思われるが,今の時点で古典的な心不全治療薬から新規心不全治療薬まで,その使い方を学び直すことは極めて重要と思われる.本稿が今後の皆様の日常診療に少しでも役に立てば幸いである.