2024 年 40 巻 4 号 p. 260-271
心臓MRI cardiovascular magnetic resonance imaging(CMR)で基本的な心機能・血行動態評価を行う際の最大の特徴は,非造影・無被爆・無侵襲である.経時的に繰り返しの撮影が可能であり,成長に伴いエコーでの観察が難しくなっていく小児循環器領域にとても適した検査と言える.CMRでは様々な撮影法・評価法を組み合わせて行うが,そのうちのシネMRI画像を用いた心機能評価について,シネMRI撮影の方法から撮影後の解析・読影の方法までを,基本的な事項からまだ研究レベルである発展的な内容まで含めて述べる.CMRの中でも基本となるシーケンスを用いて撮影するシネMRIでは,心室壁の動きを解析することによる心機能解析だけでなく,心外の大血管を含めた解剖学的形態の情報や血流など,多くの心血管機能に関する情報を得られる.一方で,CMRは長い撮影時間を要するという改善すべき点も抱えている.撮影時間を短くするための技術革新もみられており,それらについても解説する.