小児歯科学雑誌
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臨床
新しい支援モデルを用いて対応した小児の顎関節症の実態調査
宮本 茂広大野 秀夫西川 哲太宮本 理恵奥 猛志重田 浩樹山崎 要一
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2009 年 47 巻 4 号 p. 621-627

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抄録
おおの小児矯正歯科と鹿児島大学小児歯科学講座が共同で構築した『小児の顎関節症に対する支援モデル』(OSO モデルと省略)の客観的評価,およびおおの小児矯正歯科を受診した小児の顎関節症患者の実態調査を行った。対象は2003 年4 月から2008 年3 月までの5 年間に当院を受診し,『OSO モデル』で支援を行った小児の顎関節症の患者45 名であり,以下の結果を得た。1 .『OSO モデル』は治療効果の判定を行うことで次のステージへ対応していくこと,歯列・咬合の問題への対応が必要な患者を正確に診断できることから,小児の顎関節症に関する有効な医療モデルと考えられた。2 .おおの小児矯正歯科を受診した顎関節症患者の主訴は,不正咬合が15 名(33.3%)と最も多かった。3 .小児の顎関節症の発症要因として,歯列・咬合の問題が32 名(84.2%),社会的・心理的要因が27 名(71.1%)と高頻度を示したことから,小児の顎関節症の対応は小児の生活を考えた成育医療的支援の必要性が示唆された。
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© 2009 日本小児歯科学会
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