小児歯科学雑誌
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原著
Volumetric Tomography(VT)と口内法による 乳臼歯隣接面齲蝕診断能の比較
坂田 充穂浅里 仁荒木 和之岡野 友宏井上 美津子
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2010 年 48 巻 3 号 p. 414-427

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抄録
乳臼歯隣接面齲蝕の診断には臨床的な経験が必要であり,低年齢での多数歯齲蝕発生の減少に伴って,齲蝕の初発が臼歯部隣接面となる症例が少なくない現在では,乳臼歯隣接面齲蝕の的確な診断の重要性は高い。最近,コーンビームCT とは異なる理論に基づく,低被曝線量で簡便な三次元的画像診断法であるVolumetric Tomography(VT)が登場した。そこで,VT による乳臼歯隣接面齲蝕診断能の検討を行った結果,以下の結論を得た。1 .乳臼歯隣接面齲蝕の検出能について,ROC(receiver operating characteristic)解析による検討を行った結果,口内法とVT に有意な差は認められなかった。2 .乳臼歯隣接面齲蝕の診断能について,カイ二乗検定を行った結果,上顎第二乳臼歯の象牙質1/2 を越えるが歯髄に至らない齲蝕について,VT が口内法に対して有意に優れていた。また,歯種を限定しない場合と下顎第一乳臼歯に限定した場合での,齲蝕がないものについて,口内法がVT に対して有意に優れていた。3 .評価者による口内法とVT での齲蝕診断の傾向について,二次元度数分布相関表を作成し検討を行った。その結果,やや過大評価の傾向が認められた。以上のことから,乳臼歯隣接面において初期齲蝕の診断には口内法が,象牙質に至る齲蝕の診断にはVT が口内法と同様に有用である可能性が示唆された。
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© 2010 日本小児歯科学会
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