小児歯科学雑誌
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総説
Streptoccoccus mutans におけるグルカン結合タンパクBの生物学的意義
藤田 一世
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2010 年 48 巻 4 号 p. 511-514

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抄録
齲蝕病原性細菌であるStreptococcus mutans の菌体表層にはグルカン結合タンパク(Gbp)が存在する。Gbp はこれまでのところGbpA, GbpB, GbpC, GbpD の4 種類が検出され,それぞれをコードする遺伝子が特定されている。これらの中でGbpB は齲蝕の発生に強く関わっているGbpA やGbpC とは異なった性質を持つことが遺伝的に示唆されている。本研究では,Gbp を欠失させたS. mutans の変異株を作製し,GbpB の生物学的意義について検討を加えた。GbpB 欠失変異株では,親株と比較して,齲蝕病原性に強く関与していると考えられるスクロース依存性平滑面付着能においては有意な差を認めなかったものの,増殖速度および耐酸性の低下,レンサの長さの増加が認められた。また,電子顕微鏡で菌の表層を観察すると,GbpB 欠失株では表層構造が不明瞭であった。以上の結果は,GbpB は細胞壁を構成する成分の一つとして細胞の維持や分裂において重要な役割を果している可能性が高いことが示唆された。
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© 2010 日本小児歯科学会
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