抄録
上顎右側中切歯および側切歯の萌出遅延を主訴に来院した7 歳4 か月の男児に,患部の診査を目的として歯科用コーンビームCT 撮影を行った。CT 画像は歯科インプラント埋入シミュレーションソフトウェアを用いて,横断画像における病変部の軸を垂直的に調整し,病変部を中心として30 度の角度間隔ごとに二次元画像の再構築を行った。得られた画像により,病変はエックス線透過帯を伴った歯牙様構造としてみられた。また,病変と隣接歯及び切歯管などの周囲の解剖学的構造との位置関係を明瞭に観察することができた。歯科インプラント埋入シミュレーションソフトウェアを用いて画像構築をすることにより,歯科インプラントの治療のみでなく,小児期の歯牙腫をはじめとした様々な歯科臨床における診断,治療に有用な情報を得られることが示唆された。