小児歯科学雑誌
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総説
小児歯科臨床におけるクリニカル・クエスチョンに対するエビデンス
吉原 俊博
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2012 年 50 巻 1 号 p. 31-35

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抄録
本稿では,エビデンスに基づく診療ガイドライン作成の背景とその作成手順について説明する。本稿の要旨を以下に示す。1 .Medical information network distribution service(Minds)には2011 年10 月現在,8 つの歯科に関係するガイドラインが公開されている。2 .Cochrane Review には2011 年10 月現在,93 の歯科に関するレビューが公開されている。3 .診療ガイドラインの作成において,文献検索とその選択が重要になるが,エビデンスレベルの高い文献を得ることは非常に難しく,その結果,推奨グレードを強くすることが困難になる。4 .「症状はないが,齲蝕を完全に除去すると露髄する可能性のある深部齲蝕を有する歯に対する有効な治療法は?」というクリニカル・クエスチョンを設定した場合,米国小児歯科学会診療ガイドラインでは「Guideline on pulp therapy for primary and young permanent teeth」というガイドラインが得られる。Cochrane Review では「Complete or ultraconservative removal of decayed tissue in unfilled teeth」というガイドラインが得られる。
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© 2012 日本小児歯科学会
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