小児歯科学雑誌
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臨床
当歯学部付属歯科病院における小児全身麻酔下集中治療の検討
過去10年間の臨床統計
鴨下 亮平吉田 祥子竹村 雅美石田 千晶鈴木 安住西山 未紗佐藤 桃子白川 哲夫
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2014 年 52 巻 1 号 p. 97-102

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抄録

平成15 年1 月から平成24 年12 月までの10 年間に,日本大学歯学部付属歯科病院小児歯科を受診した患者のうち,全身麻酔下で歯科治療を行った症例を対象に統計調査を行い,以下の結果を得た。1.症例数は男性199 名,女性103 名であり,治療時の平均年齢は5 歳4 か月であった。2.対象患者の内訳は,有病小児あるいは歯科治療への協力度が乏しい小児が246 例,障害児が37 例,通院困難な健常児が28 例であった。障害の内訳は,自閉症20 例,精神遅滞12 例,Down 症候群が1 例,精神遅滞にてんかんを合併した症例が1 例,精神遅滞に脳性麻痺を合併した症例が1 例,その他が2 例(18 p症候群,ウィリアムス症候群)であった。3.日帰り全身麻酔が222 症例と最も多く,続いて2 泊が52 症例,1 泊が34 症例,3 泊以上が3 症例であった。また平均処置時間は2 時間21 分であった。4.全身麻酔下歯科治療での1 症例あたりの平均処置歯数は10.7 歯であった。主な内訳は,コンポジットレジン修復が5.4 歯,抜髄処置が1.6 歯,抜歯が1.4 歯であった。当院での全身麻酔下歯科治療は近年症例数が増加しており,主に多数歯齲蝕の症例について,低年齢児などの不協力児,有病小児,障害児,通院の継続が困難な小児などに幅広く適用されていることが示された。

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© 2014 日本小児歯科学会
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