小児歯科学雑誌
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総説
Amoxicillinが歯の形成に及ぼす影響
熊澤 海道
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2014 年 52 巻 4 号 p. 480-486

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抄録
乳幼児期に罹患した中耳炎の治療などに処方されるペニシリン系抗菌薬Amoxicillin によって,永久歯に色調異常や実質欠損を伴う形成不全が出現することが報告されている。しかし,本剤が歯の形成不全を引き起こすメカニズムについては未だ明らかでない。本研究は,ラットにAmoxicillin を投与した場合に,歯の形成に起こる変化について形態学的に検討した。その結果,Amoxicillin 投与群において,象牙質基質に拡大した球間象牙質が広範囲に連続して認められた。また,エナメル質基質には変化は認められなかった。さらに,エナメル芽細胞,象牙芽細胞にも形態学的変化は認められなかった。血液生化学的分析の結果では,実験群は対照群と比較して,血清無機リン濃度,マグネシウム濃度の値が有意に上昇していた。以上より,Amoxicillin は血清無機イオンに伴う象牙芽細胞の石灰化機能に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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© 2014 日本小児歯科学会
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