小児歯科学雑誌
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総説
ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死発症における免疫細胞の役割
菊入 崇
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2015 年 53 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
ビスホスホネート(Bisphosphonate : BP)は,過去30 年以上に亘り,骨粗鬆症などの骨脆弱を特徴とする骨疾患の予防と治療に用いられている薬剤である。近年,BP 系薬剤の副作用として,BP 系薬剤長期服用者の抜歯などの外科処置後に,特徴的な顎骨壊死(Bisphosphonate-Related Osteonecrosis of the Jaw :BRONJ)を発症することが報告されている。この疾患は症状が重篤であり極めて難治性であるが,長らく発生機序が不明であった。そのため,いまだに有効な治療法は確立されていない。我々はBRONJ 症状を呈するマウスを用いてBRONJ の発症機序について検討を行った。その結果,BRONJ の発症には免疫細胞の不均衡が強く関与していることを明らかにした。本稿では,BRONJ の発症機序における免疫細胞の関与について考察したい。
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© 2015 日本小児歯科学会
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