2015 年 53 巻 3 号 p. 399-405
本研究は,臨床的に簡易に行える口唇形態の定量的評価方法の確立を目的とし,新たに考案した口唇形態計測器(以下;KD 定規)による計測方法(以下;KD 計測)の有効性を検討するために,測定者間での再現性や従来の側貌写真による計測値との誤差を検証した。さらに乳歯列期の小児において,KD 計測で得られた測定結果と口唇閉鎖力との関連性について検討を行った。
その結果,KD 計測において10 名の測定者間における計測値の有意差は認められず,さらに安静時側貌写真による口唇形態の計測値との有意差も認められなかった。以上よりKD 計測は,高い再現性と計測精度を有することが示された。さらに,研究協力の同意の得られた乳歯列期の2 歳9 か月~6 歳1 か月の小児15 名(男児6 名,女児9 名)を資料とし,KD 計測における臨床的E-line からSabnasale 及びmentolabial Sulcus における計測値と口唇閉鎖力との間に相関が認められ,KD 計測における計測値と口唇閉鎖力との間に関連性を認めることが出来た。
以上より,今回著者らが考案したKD 計測は,臨床上での有効性が示唆された。