小児歯科学雑誌
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原著
0~1歳児の歯科受診動向に関する実態調査
木村 えり高野 博子井上 美津子菊池 元宏
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キーワード: 乳幼児, 受診目的, 問診票
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2016 年 54 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

小児歯科専門医が常勤する一般歯科診療所を受診した0~1 歳の低年齢児464 名を対象とし,受診目的について実態を調査したところ,以下の結果を得た。

1 .対象児の初診時月齢について,男児では「12~15 か月」が,女児では「16~19 か月」が最も多かった。

2 .対象児の月齢による人数の増減について,男児では「4~7 か月」から「12~15 か月」で,女児では「8 ~11 か月」から「12~15 か月」で有意に患者数が増加した。

3 .受診目的について,「齲蝕」が最も多く全体の約35%を,次いで「検診・予防」が約32%を,次いで「外傷」が約15%を占めた。

4 .月齢別受診目的の割合について,「齲蝕」では「12~15 か月」の割合が,「検診・予防」では「16~19 か月」の割合が,「外傷」では「8~11 か月」の割合が有意に多かった。

5 .兄弟の有無別受診目的の割合について,「齲蝕」では「兄弟無」の割合が,「検診・予防」では「兄弟有」の割合が有意に多かった。

6 .兄弟の年齢差別受診目的の割合について,「齲蝕」では「3 歳差未満」の割合が,「外傷」では「1 歳差未満」および「2 歳差未満」の割合が有意に多かった。

以上のように,0~1 歳児の受診目的は多岐にわたり,また,同じ年齢内であっても月齢によりその割合が異なる場合があることが明らかとなった。また,兄弟の有無や年齢差などの影響を受けることが明らかとなった。

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© 2016 日本小児歯科学会
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