咬唇癖により過大なオーバージェットを有する6 名の小児に対して,矯正装置を用いた形態的改善を行い,そのうえで口腔筋機能療法(以下MFT)および悪習癖中止指導を行ったところ,短期間で咬唇癖の消失をみとめた。そして以下の結論を得た。
1 .咬唇癖を有する小児に対しては,悪習癖の改善と共に前歯部被蓋関係の改善を早期に行うことが効果的であると考えられた。
2 .MFT を患児に正しく指導し,実行させることが形態の安定および悪習癖の再発防止に寄与することが示唆された。
3 .矯正装置による形態の改善とMFT の両方を適切に行うことで,口唇圧の増加が可能であることが示唆された。