小児歯科学雑誌
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54 巻 , 3 号
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原著
  • 王 陽基, 丹羽 雅子, 有川 智子, 榊原 章一, 松本 侑, 外山 敬久, 名和 弘幸, 福田 理
    2016 年 54 巻 3 号 p. 371-376
    発行日: 2016/06/25
    公開日: 2017/06/26
    ジャーナル フリー

    小児期は顎口腔の発育が著しい時期であり,近年では小児歯科領域において三次元的な画像診断に歯科用コーンビームCT が多く利用されている。本研究では,本学歯学部附属病院小児歯科において平成20 年10 月より平成25 年10 月までの約5 年間に歯科用コーンビームCT を用いて撮影を行った323 回(撮影人数294 人,男児184 人,女児110 人。なお,撮影人数のうち22 人は経過観察などにより複数回撮影を行っている)について実態調査を行い,以下の結論を得た。

    1 .目的別の撮影回数に関しては,埋伏過剰歯の精査183 回が最も多く,次いで永久歯の位置確認75 回が多い結果であった。

    2 .紹介状の有無に関しては,紹介状あり197 人,紹介状なし97 人であり,紹介内容としては過剰歯の精査が120 人であり,最も多い結果であった。

    3 .年齢別の撮影回数に関しては,7 歳が最も多く,撮影時の平均年齢は8.6 歳であった。

    4 .部位別の撮影回数に関しては,上顎前歯部が260 回であり,最も多い結果であった。

    5 .過剰歯の本数に関しては,1 本が多いものの,複数の過剰歯の可能性を考慮する必要がある事がわかった。

    6 .過剰歯の萌出方向に関しては1 本では逆生が多く,2 本の時は逆生・順生,逆生・逆生が多い結果であった。

    7 .過剰歯抜歯時の年齢に関しては,平均年齢は7.5 歳であり,7 歳が最も多く,次いで6 歳,8 歳の順であった。また,埋伏過剰歯の位置,患者の協力度によっては経過観察となる症例もあった。

  • 畠田 恵, 下岡 絵里, 大野 理恵, 小村 隆志, 島田 洋子, 橋田 早苗, 杉山 恵子, 鷲沢 直也, 大嶋 隆
    2016 年 54 巻 3 号 p. 377-383
    発行日: 2016/06/25
    公開日: 2017/06/26
    ジャーナル フリー

    歯科医院のウェブページの訪問数がその歯科医院の新患数にどのように影響するかを調べる目的で,ウェブページで得られる情報をもとに歯科医院の現状を調査した。指定ページのアクセス等に関する様々な情報を集計するGoogle Analytics システムで,2012 年3 月から2014 年2 月までの2 年間の「ユーザーサマリーレポート」から,ウェブページの訪問数(セッション数),訪問者数(ユーザー),平均セッション時間,ウェブページの最初のページしか見なかったセッションの割合(直帰率)それぞれと,K 歯科医院のウェブページを見て来院した新患数との関連を調べた。

    その結果,2013 年3 月から2014 年2 月の間のウェブページからの新患数とその6 ケ月前である2012 年9 月から2013 年8 月までの間のセッション数には負の相関が見られ,K 歯科医院のウェブページを始めた当初はそれがきっかけで来院した新患数は増加しているが,時間が経つにつれて,セッション数とユーザー数は増えているにもかかわらず,新患数は却って減少していた。

    また2012 年9 月以降,携帯機器からのアクセスの割合が増加し,一方でデスクトップパソコンからのアクセスの割合が減少していることと,直帰率が増加し,平均セッション時間が減少していることが明らかになった。

臨床
  • 棚瀬 精三
    2016 年 54 巻 3 号 p. 384-395
    発行日: 2016/06/25
    公開日: 2017/06/26
    ジャーナル フリー

    神経芽細胞腫,病期分類ステージⅢと診断され,化学療法を受けて治癒した2 症例を経験した。本腫瘍は予後因子に関わる病期分類,初発年齢,腫瘍細胞遺伝子増幅の有無,病理学的分類などから総合的にリスク度が分類され,治療法が選択される。

    症例1 は初発年齢が1 歳8 か月で,MYCN 遺伝子増幅が有り,高リスク群と診断された。1 歳10 か月から2 歳4 か月の間に,多剤併用化学療法5 クールと自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を受けた。症例 1 には歯の発育異常がみられ,第二乳臼歯根の短小化,第一大臼歯,上下顎両側中切歯・側切歯の歯根の短縮と矮小化,上下顎両側第一小臼歯の矮小化と上顎左側第二大臼歯の欠如がみられた。

    症例2 は初発年齢が0 歳10 か月で,MYCN 遺伝子増殖はなく,中間リスク群と診断された。0 歳10 か月から1 歳1 か月の間に,多剤併用化学療法を5 クール受けたが,末梢血幹細胞移植併用大量化学療法は受けていない。症例2 は,乳歯,永久歯ともに歯の発育異常はみられなかった。

    歯の発育に影響を与える化学療法の強度の境界レベルは2 症例のみからでは明白にできないが,症例1 の方が強度の高い化学療法を受けている。症例1 は前歯歯根が短小根で骨植堅固でないために,開咬と反対咬合という咬合異常が起こりやすかったことが考えられた。またその治療も歯に強い矯正力を与えない配慮が必要である。

  • 高橋 昌司, 鈴木 亮, 渡部 茂
    2016 年 54 巻 3 号 p. 396-404
    発行日: 2016/06/25
    公開日: 2017/06/26
    ジャーナル フリー

    咬唇癖により過大なオーバージェットを有する6 名の小児に対して,矯正装置を用いた形態的改善を行い,そのうえで口腔筋機能療法(以下MFT)および悪習癖中止指導を行ったところ,短期間で咬唇癖の消失をみとめた。そして以下の結論を得た。

    1 .咬唇癖を有する小児に対しては,悪習癖の改善と共に前歯部被蓋関係の改善を早期に行うことが効果的であると考えられた。

    2 .MFT を患児に正しく指導し,実行させることが形態の安定および悪習癖の再発防止に寄与することが示唆された。

    3 .矯正装置による形態の改善とMFT の両方を適切に行うことで,口唇圧の増加が可能であることが示唆された。

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