2024 年 62 巻 2 号 p. 44-52
2019年12月からなる新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,以前より一部医科で行われていたオンライン診療が緩和された。歯科の臨床行為は,齲蝕処置のように施設で患者に直接処置を施すことが主であるが,発達過程において正常な口腔機能獲得ができていない小児や,加齢などにより口腔機能が低下した高齢者に対する機能獲得もしくは回復に向けた歯科医師による管理指導のニーズが高まっている。そこで本研究は,「口腔機能発達不全症」の一つに該当する口唇閉鎖不全に対する口腔機能改善指導をオンライン診療で行うことで,歯科におけるオンライン診療の有用性について明らかにすることを目的とした。
対象は,アンケートに同意が得られた「口腔機能発達不全症」に該当し,口唇閉鎖不全を有する患児の保護者とした。なお患児および保護者には,歯科医院内で1回以上の口腔機能改善指導を行い,自宅で行う機能訓練を練習した。アンケートの回答は,無記名としGoogle Forms上で行った。
今回行われた口腔機能改善指導のオンライン診療評価は,保護者が4.7(5段階中),歯科医師は3.7(5段階中)で,特に患者側で高い評価を得たため,オンライン診療は患者に需要があることが示唆された。口腔機能発達不全症のオンライン診療は,自宅にて歯科医師に直接指導を受けることができるため,保護者の負担を軽減し患児のモチベーション向上に寄与することが示唆された。