2024 年 62 巻 3 号 p. 87-93
広島市内の小児・矯正歯科医院を初めて受診した低年齢患児の保護者へのアンケート調査の結果を分析し,調査結果と齲蝕との関連性について検討を行った。また,2015年前後(2014年12月~2015年5月;以下,2015年群)と2023年前後(2022年12月~2024年2月;以下,2023年群)の調査結果を比較することで,最近の傾向ならびにコロナ禍を介した約8年間での保護者の口腔に対する意識や家庭での対応の変化についても明らかにすることを目的に調査を行い,以下の結果を得た。
1.2015年群の齲蝕有病者は28名で,有病者率は26.4%,2022年群では齲蝕有病者は15名で,有病者率は15%だった。年齢区分別の齲蝕有病者率は両年群で同傾向であった。2023年群では全ての年齢区分で減少していたが,有意な減少ではなかった。
2.保育園への通園児は2015年群では24.5%,2023群では44.0%となり,有意な増加を認め,1歳6か月以上の授乳の継続については,2015年群では37.0%,2023年群では19.2%となり有意な減少を認めた。
3.おやつについて規則的に摂取しているものは2015年群に比べ2023年群で増加していたが,甘味菓子の摂取は2023年群でより低年齢児からの摂取がみられ,どの年齢区分でも増加していた。甘味飲料についても同様な傾向を示した。
4.フッ化物の使用は,2015年群に比べ2023年群で増加傾向にあった。
5.両年群とも「甘味菓子」「甘味菓子と甘味飲料」摂取児に齲蝕有病者が有意に多かった。