小児歯科学雑誌
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症例報告
上顎右側犬歯の移転を伴った骨格性下顎前突を第1期治療から治療した1例
竹崎 公章石井 太郎岡 暁子玉置 幸雄
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2025 年 63 巻 2 号 p. 52-60

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抄録

上顎犬歯の移転歯は臨床において稀に観察されるが,歯胚の位置によっては,隣在歯の歯根吸収を惹起しその後の治療をさらに難しくすることもある。今回われわれは,上顎右側犬歯と右側側切歯の移転とそれに伴う右側中切歯の著しい歯根吸収を認めた骨格性下顎前突症例の長期管理を経験した。患者は9歳の女児で,近医より上顎右側犬歯の萌出方向異常を指摘され紹介来院した。第1期治療では,歯根吸収を認めた上顎右側中切歯の抜去および移転歯である上顎右側犬歯を牽引し,中切歯の位置に配列した。第1期治療における外科処置は,当院小児歯科にて施行された。また,第2期治療にて,骨格性下顎前突に対する顎矯正手術を伴う矯正治療を行うこととした。上顎右側中切歯の位置に配列した上顎右側犬歯には,補綴処置を行い,審美的あるいは機能的に良好な結果が得られた。また,小児歯科との連携によって,咬合治療期間中の口腔環境は良好に保たれ,う蝕の発生は観察されていない。第2期治療終了後2年が経過した現在でも良好な咬頭嵌合が維持されている。

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© 2025 日本小児歯科学会
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