小児歯科学雑誌
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保育園児の齲蝕罹患に関する研究
-在園期間が乳歯齲蝕罹患に及ぼす影響-
小林 雅子真柳 秀昭神山 紀久男
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1981 年 19 巻 1 号 p. 136-144

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抄録
仙台市北地区内保育園に通園していて,昭和52年3月,および53年3月にすでに卒園した小児228名(男児128名,女児100名)について,保育園の在園期間が乳歯の齲蝕罹患にどのような影響を与えるかを知ることを目的として,保育園在園年数によって,4群(5年連続在園群・4年連続在園群・3年連続在園群・2年連続在園群)に分け,齲蝕罹患状態を比較した。
その結果, 罹患者率では, 4 群間にあまり差がないのに対し, d e f 歯率では, 5 年連続在園群と他群との間に,どの時点においても,5年群の値が低く,常に7-10%の差が見られた。また,5年連続在園群と1年しか入園時期が違わない4年連続群は,歯率・歯面率で,5年群に近い値をとらず,3年・2年群と同じ高率の値を示した。一方,5年連続群に見られるdef歯率の減少は,上顎前歯部で特に著明であった。また,def歯面率においては,上顎臼歯部は上顎前歯部にやや似た傾向を示した。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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