小児歯科学雑誌
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幼児における刷掃指導効果の経時的変化について
山田 恵子猪狩 和子千田 隆一真柳 秀昭
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1981 年 19 巻 2 号 p. 292-302

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抄録
小児自身に刷掃指導を行った場合,どの程度の効果が期待できるか,またその効果はどの位持続されるかを知るために,比較的健全な乳歯列をもつ4-5歳の保育園児21名を対象として刷掃指導前,刷掃指導後,指導3カ月後,6カ月後の歯垢付着状況について調査した。刷掃指導には水平scrubbing法を用いた。また歯垢付着状態は頬舌面はPHPmodified,咬合面はOcclusal Plaque Indexを用いた。各診査時の歯垢指数の変動について統計学的に検討を加えたところ,次のような結果を得た。
1)上顎では前歯唇側面と臼歯頬側面において指導直後にPHP-M値の有意な減少を認めたが,3カ月後,6カ月後には後戻りを示した。
2)下顎では,指導直後臼歯舌面を除いた他の平滑面のPHP-M値は著しい減少を示し,6カ月後まである程度指導効果が持続していた。
3)咬合面は,上下顎とも指導後に有意な減少を示し,且つこの効果は6カ月後まで持続していた。
4)平滑面の歯垢付着の分布状態は,指導前後とも同様なパターンを示し,上顎唇頬面,下顎舌面では後方歯に向かうにつれて歯垢付着が多かった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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