小児歯科学雑誌
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1歳6カ月児歯科健診に関する研究
第2報:1歳6カ月児における歯垢付着状態について
山下 篤子臼田 祐子鳴島 和子岡部 旭本間 まゆみ井上 美津子鈴木 康生佐々 竜二
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1981 年 19 巻 3 号 p. 559-569

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抄録
保健所を訪れた1歳6カ月児449名を対象に口腔内状態,食習慣を中心とした生活習慣の調査を行い,その結果を歯垢付着状態を中心に検討した。
歯垢付着状態の評価には,歯冠の2/3以上の萌出がみられる乳歯の唇側または頬側面を用い,各歯面9分割法により,各歯,全唇(頬)側面および上顎乳切歯唇側面のプラーク・スコアを算定した。
全唇(頬)側面および上顎乳切歯唇側面プラーク・スコアの平均は各々5.11,5.76であり,両スコア間には有意相関が認められた。
歯種別の歯垢付着度は,下顎より上顎において,また乳切歯より乳犬歯,第1乳臼歯において高い傾向にあった。
分割歯面別の歯垢付着度は,各歯種とも歯頸側1/3において著明に高く,また近遠心隣接側において中央部より高い傾向にあった。
萌出型別では,萌出途上歯を多くもつ型において,歯垢付着度が高い傾向が認められた。歯みがきについては,親が関与しているものほど歯垢付着度が低く,特に乳切歯部において,この傾向が大きかった。
食習慣との関連では,好ましくない飲食物を多く摂取しているものほど歯垢付着度が高い傾向が認められた。
齲蝕罹患者の歯垢付齲着度は,無齲蝕者のそれに比べて高い傾向にあった。カリオスタットによる齲蝕活動性と歯垢付着状態との間には,一定の関連は認められなかった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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