小児歯科学雑誌
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口唇裂を伴って発現した過剰歯と先天性歯牙欠如の1例
今浪 加寿栄木村 光孝古野 忠敬松山 道孝永山 武彦中村 聖
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1982 年 20 巻 4 号 p. 513-521

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抄録

口唇裂縫合手術の既往歴のある男児で,患側に上顎右側乳中切歯から右側乳犬歯の間に2本の乳歯過剰歯を認め,下顎においては左右側乳側切歯及び後継永久歯の先天性歯牙欠如を有する極めてまれな症例であり,先人の報告も少ない.
患児は,初診時,4歳7ヵ月の男児でEの頬側歯肉部の排膿を主訴として九州歯科大学附属病院小児歯科外来を受診した.
1 . 乳歯過剰歯は上顎右側乳中切歯と右側乳側切歯の間に1 歯(S1) , 右側乳側切歯と右 側乳犬歯の間に1歯(S2)を認めた.
2 . S1は切歯型を, S2は円錐様形態を呈している.X線診査によりS1およびS2の根尖の発育状態は正常乳歯と同程度である.
3 . S1およびS2の後継永久歯の存在は認められなかった.
4.先天性歯牙欠如は下顎の両側乳側切歯に認め,後継永久歯の側切歯の存在も認められなかった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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