小児歯科学雑誌
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20 巻 , 4 号
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  • 武田 泰典
    1982 年 20 巻 4 号 p. 501-512
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    顎骨の悪性腫瘍に対する放射線療法後の根未完成歯ならびに未萌出歯の形態的変化を病理組織学的に検索した.患児は6歳時に悪性腫瘍のため下顎骨に8,000radの放射線照射を受けており,1年5ヵ月後に下顎骨半側切除がなされた.切除材料中には小臼歯と大臼歯が含まれており,また腫瘍の浸潤増殖は第1大臼歯遠心根部より下顎枝におよんでいたと考えられた.根未完成でかつ未萌出であった第1ならびに第2小臼歯では根形成が著しく障害されており,同部に塊状のdysplastic dentinが形成されていた.このdysplastic dentin周囲には特定の細胞の配列はなく,疎な結合組織がみられるのみであった.細管象牙質に接して配列の不規則な象牙芽細胞がみられたが,その下層の歯髄組織本来の構築は失われていた.また,形成歯根周囲のHertwig上皮鞘は完全に消失していた.歯根の完成していた第1大臼歯では歯髄腔側象牙質の内部吸収とosteodentinの添加,歯髄組織の線維化がみられ,これらの変化も放射線照射による影響と考えられた.第2大臼歯の歯冠部ならびに歯根部の象牙質は著明に吸収されており,この吸収は腫瘍の浸潤増殖によるものと考えられた.また象牙質吸収面にはdysplastic dentinが形成されていた.これらの所見に対して種々の考察を加えた.
  • 今浪 加寿栄, 木村 光孝, 古野 忠敬, 松山 道孝, 永山 武彦, 中村 聖
    1982 年 20 巻 4 号 p. 513-521
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    口唇裂縫合手術の既往歴のある男児で,患側に上顎右側乳中切歯から右側乳犬歯の間に2本の乳歯過剰歯を認め,下顎においては左右側乳側切歯及び後継永久歯の先天性歯牙欠如を有する極めてまれな症例であり,先人の報告も少ない.
    患児は,初診時,4歳7ヵ月の男児でEの頬側歯肉部の排膿を主訴として九州歯科大学附属病院小児歯科外来を受診した.
    1 . 乳歯過剰歯は上顎右側乳中切歯と右側乳側切歯の間に1 歯(S1) , 右側乳側切歯と右 側乳犬歯の間に1歯(S2)を認めた.
    2 . S1は切歯型を, S2は円錐様形態を呈している.X線診査によりS1およびS2の根尖の発育状態は正常乳歯と同程度である.
    3 . S1およびS2の後継永久歯の存在は認められなかった.
    4.先天性歯牙欠如は下顎の両側乳側切歯に認め,後継永久歯の側切歯の存在も認められなかった.
  • 北林 恵子, 小坂 さゆり, 浅田 達, 竹内 正幸, 岩坪 れい子
    1982 年 20 巻 4 号 p. 522-529
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    京都市内,京都府下の零歳入園児が多数を占める園と零歳入園児の少ない園とを比較した結果,保育園間に齲蝕罹患者率,一人平均def歯数,def歯面数に差がみられた.つまり,零歳入園児の多い園では,齲蝕が少ない傾向がみられた.このことは夫々の園での罹患タイプからもうかがうことができた.園の存在する地域差が,齲蝕罹患状況の差をもたらす可能性もあるので,同一保育園内で零歳入園児と途中入園児の比較をN保育園でおこなったところ,零歳入園児に齲蝕の少ない傾向がみられた.また,齲蝕の重症度を加味して有意差検定をこころみた結果においても,同様の傾向がみられた.
    次に,具体的に何に起因して,齲蝕罹患状態に差が出るのかをアンケート調査によって検討したところ,零歳入園児は離乳の開始時期が早く,離乳食への移行がスムーズで,哺乳びん,母乳のきりあげが早いというか,やむなく,そうせざるを得ない状況にあることがわかった.また,就寝前の哺乳びんのきりあげの時期が早い,哺乳びん齲蝕という言葉を知っているなど,哺乳びんの使用方法について関心を持ち,実行している様子がうかがえた.
  • 中村 弘之, 船越 禧征, 河原 茂, 斉藤 武公, 稗田 豊治
    1982 年 20 巻 4 号 p. 530-533
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    症例は,生後1歳1ヵ月の男児で右肺形成不全のため生後1ヵ月より経鼻気管内挿管下に,長期人工呼吸を行っている.下顎乳中切歯萌出にともない,歯牙先端部が舌尖部下面に接触し,楕円形の潰瘍を形成し,時として出血を認めることもあった(Riga-Fede病).
    従来からこのような症例に対しては,歯牙切端部の鋭縁の削合,あるいは抜歯処置がとられてきたが,本症例では萌出時期も正常であり,また骨植も堅固であったことから,私たちは血友病児や多数歯牙抜歯後創部の安静を保持するため使用されている保護床(弾性合成樹脂床)を作製し,これを用いることによって潰瘍が治癒した症例について報告する.
  • 片尾 秀信, 峰 正博, 大東 道治, 稗田 豊治, 伊賀 成知, 岡野 博郎
    1982 年 20 巻 4 号 p. 534-539
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    3歳6ヵ月の女児に発生した下顎右側第二乳臼部のameloblastic fibromaに遭遇した.口腔内所見としてEは,未萌出で弾性硬の歯槽部が触診された.Dは動揺や転位もなく,健常であった.X線写真所見ではEの埋伏とその歯冠部を取り囲む境界明瞭なX線透過像が認められた.Eの歯根は完成しているが,5の歯胚は認められなかった.処置として局所麻酔下で病巣を一塊として摘出した.摘出物は帯赤色の線維腫様組織であった.病理組織学的な所見として歯乳頭に類似した幼若な細胞に富んだ線維性組織中に散在するameloblast様の胞巣からなっており,ameloblastic fibromaと診断した.
    本邦での私たちが知り得た症例数は本症例を含めて26例を数えるのみであり,うち19例が男性で,7例が女性であった.また本症例は年齢的にみて女性としては従来の報告中最年少にあたる.
  • 楯野 英實
    1982 年 20 巻 4 号 p. 540-555
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児は放射線感受性が高く,成人よりも被曝に対する危険性が高い.従って,小児に対する医療上の被曝については,未成熟臓器である甲状腺,眼球の水晶体,性腺などを中心に,できる限りの防護を考慮しなければならない.
    そこで,小児の被曝線量をTLD (Thermo Luminescence Dosimeter)と小児用 Mix-D ファントームを用いて,各種撮影法における被曝線量を測定した.測定部位は,皮膚,水晶体,甲状腺部,性腺である.さらに,これらの測定結果をもとに小児用コーンを開発し,従来のコーン(以下,成人用コーンと称す)と比較検討し,つぎの結論を得た.
    1.各種撮影法の被曝線量を測定した結果,小児口内法(全顎6枚法)が各測定部位ともに最も高い値を示した.
    2.小児口内法の部位別測定値では甲状腺の被曝線量が最も高く,0.734±0.017Rを示した.
    3.性腺の被曝線量は全ての撮影法で0.001R以下の値であった.
    4.新しく開発した小児用コーンは,成人用コーンより各測定部位ともに著明な被曝軽減が認められた.また,小児用コーンを用いることにより散乱線も減少し,画質も鮮鋭となった.
    5.甲状腺癌の致死的リスクは,成人用コーン10-6オーダーに対し,小児用コーンでは10-7オーダーに減少した.
    6.医療被曝上限に年線量当量限度を1つの指標と考えると,全顎口内法を一年間に何回撮影すれば,水晶体の年線量限度に達するかを比較した結果,成人用コーンでは約3回,小児用コーンでは約88回であった.
  • 親里 嘉健, 河原 茂, 渡辺 道雄, 年梅 旭, 近森 槙子
    1982 年 20 巻 4 号 p. 556-563
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    大阪歯科大学附属病院小児歯科外来で,出血傾向のない患児に対し,1)支台形成時の歯肉損傷による小出血,2)ラバーダム撤去時の歯肉の小出血,そして,3)乳歯抜歯時の小出血をみた場合にそれぞれ局所止血剤TDZゼリーを使用し,その止血効果について観察した.
    TDZゼリーの止血効果は歯肉損傷時の小出血に対して有効率100%,交換期乳歯抜歯時の小出血に対して有効率77.8%であった.
    その結果,TDZゼリーは歯肉の小出血には有効で安全性の高い局所止血剤といえる.
  • 丹羽 敏勝, 森川 あけみ, 大東 道治, 古跡 孝和, 竹花 一
    1982 年 20 巻 4 号 p. 564-570
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    Cleidocranial dysostosis(鎖骨頭蓋異骨症)は鎖骨と頭蓋骨の形成異常を主徴とする疾患である.
    私たちは本症には比較的稀れといわれる精神障害を伴い,顎骨の発育障害,39歯に及ぶ埋伏歯を示す症例に遭遇したので報告する.患者は19歳の男性で,乳歯の残存と永久歯の萌出遅延を主訴として来院したpseudo-autismを伴うCleidocranial dysostosisの精神薄弱者である.本症例は埋伏歯が多数ということもあり,現状を経過観察し,口腔内管理を行なっていく方針である.
  • 野坂 久美子, 松井 由美子, 守口 修, 丸山 文孝, 菅原 達郎, 甘利 英一, 鈴木 鍾美
    1982 年 20 巻 4 号 p. 571-583
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    昭和49年から57年までの9年間に,岩手医大歯学部小児歯科外来において臨床的に顎骨嚢胞と思われた5歳1ヵ月から12歳4ヵ月までの小児17例を経験した.全症例に歯肉,歯槽粘膜部の腫脹を認めたが,ほとんどが無痛性のため,顔面へ腫脹を来たしてから,または定期診査で発見されたものが多かった.
    臨床所見ならびにX線写真像では,すでに先行乳歯が抜歯されている2例を除いて,嚢胞内に乳歯の歯根ならびに後継永久歯歯胚が包含されていた.さらに,後継永久歯周囲のX線透過像の巾は3mm以上で,その境界は明瞭であった.ほとんどの症例で,帯黄色の内溶液が確認された.発生部位は下顎第2小臼歯すなわち先行乳歯が第2乳臼歯である部位が最も多く,次いで,上顎前歯部であった.また,先行乳歯は歯髄処置の既往のあるものや感染根管を有するものであり,歯髄処置の行なわれている乳歯の歯根には異常吸収が認められた.さらに,病理組織診断の得られた症例でも,この嚢胞が乳歯根尖病巣の影響によることが認められた.したがって,本症例群の顎骨嚢胞の病因は,乳歯根尖病巣が考えられると同時に,乳歯の歯髄処置の重要性が考えられた.処置方法は,大部分の症例に開窓療法を行ない,嚢胞の縮小と未萌出の後継永久歯を正常位置へ萌出,誘導することができた.
  • 守口 修, 野坂 久美子, 甘利 英一
    1982 年 20 巻 4 号 p. 584-597
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    外胚葉異形成を伴わず,父とその子供3名に出現した部分的無歯症の4症例を経験し,次のような結論を得た.
    症例1(女子,13歳9ヵ月)は〓, 症例2(男子,18歳3ヵ月)は〓,症例3(女子,10歳9ヵ月)は〓,症例4(父,45歳8ヵ月) は〓の先天性欠如を認めた.また,萌出永久歯においては,同胞3名の上顎側切歯は矮小形を呈し,近遠心幅径が小さい値を示した.とくに多数歯欠如の症例1では,他の症例に比べてどの永久歯も非常に小さく,しかも上顎側切歯は栓状歯,上顎第1大臼歯は智歯様を呈していた.症例1は,上顎骨の劣成長による下顎の前方位と交叉咬合を呈していたため,上顎骨の側方拡大とchin capの併用を行った.症例3は保隙装置を製作し,咀嚼機能の回復をはかった.
    部分的無歯症の成因は,その表現型から,常染色体優性遺伝と考えられ,とくに症例1では,妊娠中の母体の不良も,先天性欠如の促進因子になっていると思われた.
  • 猪狩 和子, 松本 文夫, 千葉 桂子, 神山 紀久男
    1982 年 20 巻 4 号 p. 598-605
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    進行性筋ジストロフィー症(progressive muscular dystrophy,PMD)は骨格筋の進行性萎縮と筋力低下を特徴とし,遺伝的家族的に発生する原発性変性筋疾患である.歯科領域での特徴として,開咬,歯列弓の拡大,巨舌,咀嚼能力の低下などが報告されている.
    著者らは,3歳時PMDと診断された男児において,5歳4ヵ月から10歳まで6ヵ月ごとに得た石膏模型の分析を行ない,次の結果を得た.
    1. 機能障害がほとんど現われていない初診時(5歳4ヵ月)上顎歯列弓幅径は標準偏差内の値であったが,すでに下顎歯列弓幅径では増大が見られた.
    2. 下顎歯列弓幅径の増大は上顎に先行し,機能障害の進行に伴ない上顎歯列弓幅径の増加が著しくなった.
    3. 8歳6ヵ月を境に上顎歯列弓幅径の増加量が下顎を上回るようになった.
    4. 上下顎とも,乳犬歯間幅径の増加量は平均と思われた.
    5. 乳犬歯より第2 乳臼歯,第2乳臼歯より第1 大臼歯と,より後方歯での歯列弓幅径の増加量が大きかった.
  • 山内 哲哉, 横井 勝美, 福田 理, 土屋 友幸, 黒須 一夫
    1982 年 20 巻 4 号 p. 606-617
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,歯科初診時にみられる小児の適応性に影響する要因を検索することを目的とした.すなわち,本学歯学部附属病院小児歯科を受診した3歳から12歳までの男女児102名,およびその両親204名,総計306名を対象に調査した.調査方法は,小児の性格診断検査,両親の養育態度診断検査の各心理テスト,ならびに院内プロトコール用の質問調査用紙を用いて,総計39項目について行い,小児の初診時の態度から,適応群・不適応群に分類し,比較検討して,以下の結果を得た.
    1)初診時における適応群の小児は,63名(61.8%),不適応群の小児は,39名(38.2%)であった.
    2)適応群・不適応群に影響する心理的要因として,
    (1)父親の養育態度では,「積極的拒否型」で,適応群・不適応群間に差が認められた.
    (2)母親の養育態度では,「不安型」・「溺愛型」・「盲従型」で,適応群・不適応群間に差がみられた.
    (3)小児の性格では,「攻撃・衝動的」・「社会性」・「社会的安定」で,適応群・不適応群間に差が認められた.
    (4)質問調査では,「年齢」で,適応群・不適応群間に差が認められた.
  • 森 きよ子, 大槻 佳子, 北村 京一, 増田 典男, 祖父江 鎮雄
    1982 年 20 巻 4 号 p. 618-624
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    世界16ヵ国より蒐集した78種の歯磨剤の抗菌性ををS.mutans, Actinimyces 各2株,S.sanguis, S.salivarius, S.mitis各1株,計7株の口腔細菌を指標菌株として,ディスク法ならびに最小発育阻止濃度(MIC)値により比較した.その結果,約9割の歯磨剤に抗菌性が認められた.抗菌性の高い歯磨剤の多くには,Sodium N-Lauroyl Sarcosinate(SLS)が含まれていることがわかったが,SLS単独のMIC値から考慮するとSLS以外の例えば香料やその他の成分が抗菌性を発揮していると思われる.
    歯磨剤溶液のpH値およびFイオン量はかなりの差が認められたが,いずれも抗菌性を左右する因子ではなかった.
    各歯磨剤溶解液の固型成分(沈渣)の抗菌性についてもディスク法にて調べたが,抗菌性は全く認められなかった.同様に歯磨剤の熱処理(120℃20分間)と酸化(室温12時間)による抗菌性への影響をみた結果,熱処理では,抗菌性の低下はほとんど認められなかったが,室温放置により抗菌力の顕著な低下が認められた.
  • 泉谷 明, 落合 伸行, 墨 典夫, 楽木 正実, 谷口 学, 大嶋 隆, 祖父江 鎮雄, 西村 英明
    1982 年 20 巻 4 号 p. 625-632
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    齲蝕抑制剤として, フッ化物をヒトに適用する場合, 高濃度で少数回塗布する方法と低濃度で頻回に投与する方法が採られている.今回我々は,前者の方法で利用出来るフッ素剤として考案された(NH4)2MoO2F4, SrTiF6の齲蝕予防効果と進行抑制効果を,ラット実験系を用いて,酸性フッ素リン酸溶液およびAg(NH3)2Fをそれぞれ対照として検討した.その結果,(NH4)2MoO2F4およびSrTiF6はともにAPFと同程度の齲蝕予防効果を示した.また,両薬剤はともに38%Ag(NH3)2Fと同程度の齲蝕進行抑制効果も有することが示された.
  • 平岡 弘士, 香西 克之, 西尾 明子, 長坂 信夫
    1982 年 20 巻 4 号 p. 633-641
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    著者らは,本学小児歯科外来を訪れた3歳7ヵ月の女児に,後継歯を伴った下顎左側乳中切歯部の過剰歯と,下顎右側乳中切歯と過剰歯との融合歯(双生歯)を認めた稀有な症例に遭遇した.
    家族歴では,同胞の弟(1歳8ヵ月)に上顎乳前歯正中部に埋伏過剰歯を1歯認めた.その他,特記すべき事項はない.既往歴は,胎生3週頃流産の徴候があり,入院し,その後回復.出産は満期にて吸引分娩である.
    全身的所見は良好であり,初診時体重は16.1kg,身長104cm,であった.
    口腔内所見は,乳歯列は,Hellmanのdental stage IIAで,〓にアマルガム充填がされ, また〓頬側部には,フッ化ジアンミン銀の塗布がされている.そのほか硬組織および軟組織の異常は認めない.しかし,下顎左側乳中切歯部に過剰歯を認め,乳歯列内にあり,色調,形態,大きさは正常乳中切歯と類似している.咬合状態は,正中のずれはなく, 前歯部の被蓋は浅く両側上下顎乳側切歯は切縁で接している.また上下顎共に歯間空隙を認める.X線写真では,下顎乳切歯部に5歯認め,夫々に後継歯を有する.その他歯胚の数および発育には異常は認めない.
    各所見を総合して,下顎正中部の乳切歯は過剰歯と判定し,それに後継歯を認めた.また下顎右側乳中切歯は,形態的に大きく,歯冠部に融合線を認め乳中切歯部過剰歯と乳中切歯の融合した双生歯である.
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