小児歯科学雑誌
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小児の乳歯根尖性歯周炎が後継永久歯胚に及ぼす影響
第1報 後継永久歯胚の回避現象の臨床的観察
足立 守今村 基遵西堀 久美會田 栄一柴田 輝人黒須 一夫
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1983 年 21 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

小児の乳歯根尖性歯周炎による後継永久歯胚の回避現象を検索するために,健全歯列を有する2~9歳の小児32名と,乳歯根尖性歯周炎を有する3~9歳の小児のオルソパントモグラムを,著者らが考案した計測基準を用いて計測,観察し,以下の結果を得た。
1)健全歯列を有する小児の同一個体内における下顎第1小臼歯の位置の近遠心的および上下的左右差は1.16~1.34mm,0.50~0.63mmであった。下顎第2小臼歯のそれは1.08~1.31mm,0.62~0.83mmであった。
2)先行乳歯の根尖性歯周炎による後継永久歯胚の回避は,74例中19例(25.7%)に認められ,年齢別では,4~7歳の小児に多く認められた。
3)病的X線透過像の大きさが10mm以上の場合に,歯胚の回避が起きやすい傾向を認めた。
4)後継永久歯胚の形成状態が歯冠形成段階の場合に,歯胚の回避が多く認められた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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