小児歯科学雑誌
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永久歯のすべてに短根歯を認めた1症例
落合 伸行斉藤 隆裕安福 美昭堤 脩郎大嶋 隆祖父江 鎮雄
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1983 年 21 巻 2 号 p. 272-279

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抄録
本症例の女児は大阪大学医学部附属病院小児科においてCockayne症候群,副甲状腺機能低下症,あるいは骨性代謝疾患を疑われ,歯科的精査を主訴として来院した。初診時患児は10歳で,永久歯の萌出遅延,全乳歯および永久歯の重症齲蝕および萌出永久歯の動揺が認められた。X線診査の結果全永久歯の歯根は短かく,根尖は丸味を帯びており,形成が障害されていた。自然脱落した下顎切歯の病理組織学的所見では,エナメル質,歯冠部象牙質に著明な異常所見は認められなかった。しかし,歯根は著しく短かく,同部の象牙細管は疎でその走行は乱れていた。さらに,歯冠部歯髄腔および根管は著しく狭窄しており,歯髄腔は象牙質粒や骨様象牙質により占められていた。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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