小児歯科学雑誌
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21 巻 , 2 号
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  • 石川 雅章, 宮新 美智世, 高松 美雅
    1983 年 21 巻 2 号 p. 161-168
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    外傷により幼若永久前歯が破折した際処置法を選ぶにあたっては,その歯根の固有の発育を完遂させるという観点が重要と思われる。水酸化カルシウムによる生活歯髄切断法は,その有力な選択の一つと言えよう。そこで臨床症状,歯根形成状態などから,同法の適用と診断された35症例40歯について臨床的経過を観察した。
    その結果,1)最終リコール時の判定は良好33歯,不良7歯であった。予後不良歯は経過2年未満に集中した。2)庇蓋硬組織(dentin bridge)は24歯に観察され,すべて良好例であった。3)受傷から来院治療までの期間が長くなると,特に3日以上経過すると不良例の占める割合が高くなった。4)歯冠破折状態と予後には明瞭な関係は認められなかった。5)半数以上の症例に根の伸長または完成を観察し,本法の本来の目的が果されていると思われた。
  • 大森 郁朗, 国本 洋志, 竹内 京子, 井端 和弘, 笹岡 恵子
    1983 年 21 巻 2 号 p. 169-178
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    シーラントを小窩裂溝齲蝕の予防手段として用いるだけでなく,初期齲蝕の進行抑制手段としても応用し得るか否かを検討することを目的に,一連の研究を行なっているが,いままでに,初期齲蝕の認められる小窩裂溝にシーラントを填塞するのに先立って,GK-101液とスクラッチャーにより,小窩裂溝の清掃を行なうことの有効性をin vitroの実験により明らかにした。
    今回は,これらのin vitroの実験結果を基にして,同手段のin situにおける効果を検討したところ,短期間(平均8.8ヵ月)の観察期間ではあるが,シーラントの保持率は100%であった。すなわち,われわれの考案した術式は,初期齲蝕の認められる小窩裂溝に対するシーラント填塞をより一層効果的にするものと考えられた。
  • 加我 正行, 青森 継充, 小沢 光浩, 渡辺 郁也, 及川 清
    1983 年 21 巻 2 号 p. 179-185
    発行日: 1983年
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    既製乳歯金属冠は小児歯科臨床に非常に多く使用されている。これら乳歯冠の生体に対する安全性を組織培養によって検索した。
    実験試料には2種類の既製乳歯金属冠A,Bと純度99.9%のNiとCuを用いた。試料の形状は6×6×0.2mm3の薄片板状とし,オートクレーブ中にて120℃,30分間加熱滅菌して実験に供した。組織培養に用いる培養液はEagleのMEM+L-glutamine+10%bovine calf serumを使用した。
    ヒト歯肉由来の継代培養した線維芽細胞を用いて,細胞数が1×105cells/mlの懸濁液を作製した。これを培養皿に5mlずつ分注し,その中央に試験片試料を静置し,炭酸ガスインキュベーター内で培養した。試験片周囲の細胞の形態観察および細胞数の算定は1日目,2日目,4日目,7日目に実施した。
    その結果,金属の存在における線維芽細胞の消長は,Cuでは経時的に細胞の増殖がみられたが,4日目では生活細胞の存在はほとんどみられなかった。Niでは経時的に細胞の増殖がみられたが,細胞数は対照群に比べて少なく,危険率1%で有意に差があった。乳歯金属冠A,Bは共に対照群とほぼ同様に細胞が増殖し,有意な差は認められなかった。形態観察はCuでは金属周囲の細胞の細胞核の変性ならびに萎縮がみられた。Ni周囲の細胞は正常細胞に比べ細胞の萎縮がみられた。乳歯金属冠A,Bでは金属の境界に細胞の親和性がみられた。以上の結果より既製乳歯金属冠の生体に対する安全性が示唆された。
  • 後藤 讓治, 細矢 由美子
    1983 年 21 巻 2 号 p. 186-189
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    工業方面において,メタルエッチング加工による研削材が開発されつつある。
    その方法は,金属表面をエッチング加工することによって凹凸をつけ,研削に応用するもので,種々の利点を有している。
    メタルエッチング加工による研削材は,歯科の分野においても多くの応用の可能性を秘めているにもかかわらず,これまでに歯科方面への応用は全くなされていない。
    そこで,メタルエッチング加工による研削材の原理を明らかにすると共に,本法の歯科的応用を試みた。そして,メタルエッチング加工による歯科用ディスクの試作を行い,また,その研削部を走査型電子顕微鏡によって観察した。
    走査型電子顕微鏡による観察の結果,メタルエッチング加工による研削材の研削部は,頂部が平坦で隆起した独得の形態をしていることが明らかになった。また,本法は多くの利点を有しており,種々の形態の研削材として,歯科の分野にも応用が可能であると思われた。
  • 小椋 正, 柴崎 貞二, 深田 英朗
    1983 年 21 巻 2 号 p. 190-198
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    著者らは,歯冠崩壊がほとんどなく,また根の吸収の少ない下顎左側第二乳臼歯と上顎右側第二乳臼歯から,髄室のある乳歯レジン人工歯を試作した。
    この試作したレジン歯の髄室の位置が,天然歯の髄室の位置と一致しているかどうか松井らの報告と比較検討した結果,両者の髄室の位置は,概ね一致していた。
    以上の結果から,この試作レジン歯が実習に使えるものと考え,マネキン実習ができる様に,2本の試作レジン歯を植立した乳歯列模型を試作した。この乳歯列模型を使って,マネキン実習が臨床と同様にできて,患者実習をする前の実習として有効であるかどうかを検討した結果,次のような結論を得た。
    1.試作した髄室を有する乳歯レジン人工歯を植立した乳歯列模型を用いることによって,マネキン実習において臨床実習とほぼ同様に基礎実習を行うことができる。
    2.髄室を有する乳歯レジン人工歯は,歯髄処置(歯髄切断法)の実習のみならず,乳歯のすべての歯冠修復処置の実習にも有効である。
    3.髄室を有する乳歯レジン人工歯を使用することによって歯髄処置に際して天蓋の除去時の感覚を,従来のように抜去歯を使用しなくても学生に把握させることができる。
  • 福田 理, 葛島 紀子, 高木 伸子, 足立 守, 渡辺 達夫, 西岡 喜嗣, 黒須 一夫
    1983 年 21 巻 2 号 p. 199-208
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,心身障害児の歯科治療時の取り扱い法を決定する基準の手がかりを得るために調査した。
    本学小児歯科において,歯科治療の後,定期診査を受診している心身障害児73人(男児55人,女児18人)を治療時の取り扱い法ならびに定期診査時の協力状態から3群に分類した。すなわち,
    Type I:外来治療の後,健常児と同様に定期診査を受けている患児。
    Type II:外来治療の後,障害児班で定期診査を受けている患児。
    Type III:全身麻酔下治療の後,障害児班で定期診査を受けている患児。
    トレーニング効果,患児の能力,口腔内状態について3群間で比較し,以下の結果を得た。
    1. 73人中Type Iは12人,Type IIは24人,Type IIIは37人であった。
    2.治療開始以前のトレーニング回数は,Type Iが1.4回,Type IIが1.8回であった。全麻決定までのトレーニング回数は3.6回であった。
    3.Type IIIでは,自閉的傾向群が57.8%と他のTypeに比して高い割合を占めていた。
    4.Type IIIは,話しの理解能力において他のTypeより著しく劣っていた。
    5.口腔内状態では,Type IIIの齲蝕罹患が他のTypeに比して高く,齲蝕重症度指数43.2と最も高い値を示していた。
  • 高林 周平, 柚木 祐子, 関口 基, 青森 継充, 小沢 光浩, 小林 良次, 萇崎 健三郎, 小口 春久
    1983 年 21 巻 2 号 p. 209-214
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    面圧測定シート"プレスケール"を応用して,小児歯科臨床でおこなわれる粘膜下浸潤麻酔時の薬液注入圧,および注入圧と注入速度との関係について検索した。注入圧は薬液注入時,カートリッジのプランジャーゴムにかかる圧力とした。すなわち,プランジャーとプランジャーゴムの間にはさんだプレスケールに圧力を加え,専用濃度計FPD201を用いて読みとった値を注入圧とした。その結果,次のような結論を得た。
    1.粘膜下浸潤麻酔では,薬液注入圧は30kg/cm2未満であった。
    2.薬液注入速度は,12×10-3ml/secから28×10-3ml/secの間であった。
    3.小児歯科臨床でおこなっている粘膜下浸潤麻酔時の圧力の範囲では,注入圧と注入速度との間に相関関係はなかった。
  • 丸山 文孝, 野坂 久美子, 甘利 英一
    1983 年 21 巻 2 号 p. 215-223
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    我々は,下顎第2乳臼歯をin vitroで根管拡大し,1)拡大部位と非拡大部位,2)Perforation,3)根尖孔の開大について,観察を行い,根管拡大の限界について検索した。
    資料は,岩手医科大学歯学部小児歯科所蔵の抜去歯のうち,根管治療がなされておらず,歯根の吸収が1/3以下の下顎第2乳臼歯66歯(264根管)を用いた。
    実験は,根管内に墨汁注入した歯をstyle monomerで透明標本としたのち,reamingactionのみの拡大を行い(30~45号),上記項目について観察した。観察部位は,髄床底から根尖までを4区分し,水平的には,近遠心,頬舌側合計16区分について行い,はじめに立体的に観察したあと,マルトークリスタルカッターで連続横断切片とし,Micropromerにてさらに,追跡観察した。
    結果:1)拡大部位は,近遠心壁に多く見られ,拡大号数を増しても頬舌側壁の拡大には,限界があった。2)遠心根管の歯冠寄り1/2で,拡大が少なかった。3)Perforationは,66歯中15歯,264根管中15根管に生じ,40号以上では,それ以下の拡大号数の約3倍の発生を示した。4)Perforationの部位について,根管内側のperforationは,根管口寄りであり,外側のものは根尖近くに生ずる傾向があった。5)拡大後に生じた根尖孔の開大は,264根管中60根管に見られ,どの拡大号数においても近遠心舌側根管の内側に多く,根尖より1mm以内に生ずるものがほとんどだった。以上よりperforationを考慮すると,器械的拡大は,35号にとどめるべきと思われた。
  • 盛島 美智子, 時田 幸子, 羽切 恵美子, 辻川 裕久, 尾木 啓司, 五嶋 秀男
    1983 年 21 巻 2 号 p. 224-233
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    長期間にわたる副腎皮質ステロイド剤投与の副作用のなかで,moon faceは著明かつ高頻度に現われる軽度な副作用の1つである。「副ス療法」加療中のネフローゼ症候群の患児で,moon faceの観察された9名のうち療法中止によりmoon faceの消退した5名を対象とした。moon faceとその消退時の顔面モアレ写真(正貌)を撮影し三次元的に分析した。
    1) moon faceに特徴的なモアレ縞パターンを検出した。「鼻根パターン」と「頬部同心円パターン」で,「鼻根パターン」はmoon face出現群では頬部に大きく広がり,moon face消退群では鼻背に沿って下降した。一方,「頬部同心円パターン」はmoonface出現群のみに観察された。
    2) Moon Face Index (MFI)はmoon faceの状態を評価するのに有用な指数で,moon face出現群では1より大きく,moon face消退群では1より小さかった。
    3) 満月様顔貌消退率(MFDR)は,顔貌の円形化の部位とその程度を数値化した。すなわち,MFDRは中顔面の鼻下点面で最大で39.99,上顔面と中顔面の境界にある鼻根点と下顔面の願最突出点を通す基準面では小さく9.62,6.61であった。
  • 峰松 小百合, 坂井 右子, 白川 美穂子, 笹野 雪子, 三浦 一生, 長坂 信夫
    1983 年 21 巻 2 号 p. 234-241
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は顔面頭蓋の成長発育を一定期間毎に観察する目的から,顔面写真をとりあげ,インスタントカメラを用いた独自の顔面規格写真装置を考案し,今回は,本装置を用い生体上の計測点が顔面写真上で再現可能かを検討した。
    試作した装置は頭部固定装置にポラロイド社製cu-5接写カメラを右側眼窩点orまでの距離を1/2縮少撮影距離31.4cmとして連結し,orを中心に回転できるようにした。方法としては,円形の鉛箔をgl,n,or,sn,sml,pog,go,porの8点に貼付し,顔面写真と対照として側方頭部X線規格写真を撮影し,鉛箔の中心点をトレースした。その各々の計測点を2つの基準点por,orからの距離,角度により計測し,両者のバラツキ方の差の小さいものを再現があると判定し,バラツキ方を変異係数で検討した。その結果,顔面写真が0゜ ではorを基準点とした方が全体的に再現の傾向がみられたが,距離においてsn,sml,por,角度においてgl,n,snに変異係数の差が大きく認められた。に検討した計測点を明瞭に読影するためカメラをorを中心に10゜,20゜,30゜ 回転させ撮影し同様が,距離においてはgl,n,pogで顔面写真0゜ が最も変異係数の差が小さく,他点は10゜において差が小さかった。また,角度については全点とも20゜ において差が小さく,最も再現性のある傾向を認めた。
  • 谷林 潤子, 長井 百合子, 前田 憲昭, 増田 典男, 北村 京一, 祖父江 鎮雄
    1983 年 21 巻 2 号 p. 242-250
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    8歳~14歳の血友病Aの患児18名(第VIII因子2%未満)およびその母親のためのサマーキャンプに参加する機会を得,問診アンケート調査,口腔検診,予防指導,討論会を通じて,患児の日常生活,特に歯科的実情を調べた。口腔検診により,患児の多くは,唾液潜血反応が陽性の者で,第VIII因子製剤の投与により出血管理はなされているものの,歯肉出血の危険性が示唆された。また,問診により患児の半数以上は,特に歯牙交換期に出血を経験していたが,その管理は歯科医ではなく,医師に任されていた。齲蝕あるいは歯周疾患予防のためのプラークコソトロール,食事指導は健常児の場合と全く同じ内容で良いと思われたが,治療の際の困難性を考えると,健常児以上の徹底した予防の実践が必要と思われた。
  • 今浪 加寿栄, 木村 光孝, 内上堀 征人, 松山 道孝, 長谷川 喬, 住本 和隆, 新城 啓和
    1983 年 21 巻 2 号 p. 251-258
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    1の萌出遅延を主訴として来院した15歳の男子に発生したodontomaに遭遇した。口腔内はHellman's dental age IV A期にあり,1のみ未萌出であった。1相当歯槽部には骨様硬の膨隆が認められたが,炎症所見は認められなかった。X線診査により,1相当歯槽部においてX線不透過性の塊状物を認め,その塊状物によって1は萌出を妨げられ埋伏していた。1の歯根の発育はみられたが根尖は開大していた。局所麻酔下に腫瘍を摘出し病理組織学的検索および電子顕微鏡学的検索を行なった結果,com-Plex odontomaと診断した。odontoma摘出後埋伏していた1を正しい位置に誘導し,結紮線と即時重合レジンによって固定を行なった。固定後2年6ヵ月経過しているが現在まで予後は良好である。
  • 横矢 幹雄, 加治 美和子
    1983 年 21 巻 2 号 p. 259-263
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    7歳男児の下顎前歯部過剰歯を外傷で抜去した上顎前歯部に即時移植し,3年にわたり良い結果を見たので,その基本的な考え方と術式および経過について報告する。
  • 上原 智恵子, 高宮 哲二, 富沢 美恵子, 野田 忠, 鈴木 誠
    1983 年 21 巻 2 号 p. 264-271
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    著者らは,生後2ヵ月の小児で,上顎左側乳犬歯部に腫瘤を伴った未完成乳歯が早期に排出された1例に遭遇したので,その病理組織学的所見もまじえて報告した。
    本症例の未完成乳歯は,上唇左側の不完全唇裂に関連して生じた乳歯過剰歯と考えられる。
    病理組織学的所見としては,歯のエナメル小柱や象牙細管などの基本的構造はできているが,形成程度は不十分で,根の形成もみられなかった。さらにエナメル質や象牙質への細菌の侵入や吸収破壊がみられ,また,歯髄は炎症性肉芽組織にほとんどおきかわっており,はっきりとした象牙芽細胞の規則正しい配列や歯髄本来の構造はあまりみられなかった。腫瘤の大部分は炎症性肉芽組織で占められ,腫瘤中央部より歯冠内側直下までは,表層は細菌の増殖を伴って壊死に陥っており上皮の被覆もなかった。基部付近には切除端歯肉固有層から連続する線維組織が入りこんでおり,その表面は上皮の被覆があった。
    成因については,生下時にこの乳歯過剰歯が,比較的口腔粘膜表面近くに存在したために吸啜作用などの機械的刺激をうけやすく,歯が未完成の状態で炎症により歯髄部分が破壊され,それ以後の歯の形成が停止し,一種の異物として,早期に口腔内に排出されたものではないかと考える。
  • 落合 伸行, 斉藤 隆裕, 安福 美昭, 堤 脩郎, 大嶋 隆, 祖父江 鎮雄
    1983 年 21 巻 2 号 p. 272-279
    発行日: 1983/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本症例の女児は大阪大学医学部附属病院小児科においてCockayne症候群,副甲状腺機能低下症,あるいは骨性代謝疾患を疑われ,歯科的精査を主訴として来院した。初診時患児は10歳で,永久歯の萌出遅延,全乳歯および永久歯の重症齲蝕および萌出永久歯の動揺が認められた。X線診査の結果全永久歯の歯根は短かく,根尖は丸味を帯びており,形成が障害されていた。自然脱落した下顎切歯の病理組織学的所見では,エナメル質,歯冠部象牙質に著明な異常所見は認められなかった。しかし,歯根は著しく短かく,同部の象牙細管は疎でその走行は乱れていた。さらに,歯冠部歯髄腔および根管は著しく狭窄しており,歯髄腔は象牙質粒や骨様象牙質により占められていた。
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