小児歯科学雑誌
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修復用レジンの乳歯象牙質内浸入に関する研究
細矢 由美子後藤 讓治町田 幸雄
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1983 年 21 巻 4 号 p. 691-703

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抄録
健全並びに齲蝕下乳歯象牙質に対するレジンの浸入状態をSEMで観察した。資料としては,交換期のため抜去もしくは自然脱落した乳歯を使用した。
健全乳歯群としては,酸処理後ボンディング材を併用してレジン充填を行った群(AI群)と,ボンディング材を使用せずにレジン充填を行った群(A-II群)を施けた。齲蝕症第2度の乳歯群(B-I群)には,酸処理後ボンディング材を併用してレジン修復を行った。レジンは,Adaptic,Silar,Clearfil Fを使用した。
浸入レジンの長さは,A-I群がA-II群並びにB-I群より長い傾向を示し,A-II群とB-I群とは似かよった傾向を示した。また,浸入レジンの形態は,症例ごとに変化に富んでいた。使用レジン別にみると,どの群についても,Clearfil使用時の浸入状態が1番良好であった。健康乳歯象牙質と比較し,齲蝕下乳歯象牙質にはレジンは浸入しにくかった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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