小児歯科学雑誌
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乳歯歯冠色に関する研究(I)Color and Color Difference Meter 1001 DP 型による測色
細矢 由美子後藤 讓治
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1985 年 23 巻 1 号 p. 69-77

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抄録
我々は,乳歯の歯冠色を客観的に測色する事を目的に本研究を開始した。
今回は,日本電色社製Color and Color Difference Meter 1001DP型を用いて,3歳'8ヵ月から6歳6ヵ月までの平均年齢5・0歳の小児18名の乳前歯の測色を口腔内で行い,装置について検討を行った。Optical Headは,OFC-1001DP型を用い,D-C Power Supplyは,9463型を使用した。表色系としては,HumterのLab系を利用した。
実験の結果,下記の結論を得た。
1.すべての乳前歯について,極めて白色に近い測色平均侮が得られた。
2.今回使用した測色計は,Lab系を使用しているので,その数値が測色器から直読でき,大変便利であり,得られた数値が客観的であるという利点を有している。
3.しかしながら,対象となる歯牙が小さく,表面が平端でないため,Optical Headの先端よりはいりこんだ外光による影響で,測色値に誤差が生じる恐れが考えられる。
4.また,測色に要する時間が4秒と長く,Optical Headの先端が硬い材質でできているため,計測中にOptical Headを圧を加えずに歯面上に静止しておくのが困難であった。
5.口腔内で乳歯歯冠色の測色を行う際は,外光の影響を受けず,瞬間測色が可能な装置の使用が望ましい。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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