小児歯科学雑誌
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若年者の顎関節症に関する疫学的研究-いわゆる思春期における顎関節症の発症頻度と症状分布-
大野 秀夫森主 宜延堀川 清一住 和代畠田 慶子旭爪 伸二小椋 正
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1985 年 23 巻 1 号 p. 94-102

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抄録
顎関節症は,顎関節部疹痛,開口障害,顎関節雑音,異常顎運動などの症状を単独かあるいは合併して有しており,全身疾患との関連のない非炎症性の一連の症候群を意味する。
著者らは,思春期における顎関節症に対する歯科医療対応の体系化を試みる一貫として,10歳から18歳までの男性1095名,女性1103名,計2198名を対象とし,顎関節症の発症頻度について,調査を行ない以下の結論を得た。
1.関節雑音の発症頻度は,全体で188名(8.6%),男女別では男性98名(8.996),女性90名(8.2%)で,性差は認められなかった。
2.顎関節部疹痛の発症頻度は,全体で37名(1.7%),男女別では男性16名(1.5%),女性21名(1.9%)で,性差は認められなかった。
3.開口障害の発症頻度は,全体で6名(0.3%),男女別では男性3名(0.3%),女性3名(0.2%)で,性差は認められなかった。
4.顎関節症の発症頻度は,全体で215名(9.8%),男女別では男性110名(10.1%),女性105名(9.5%)で,性差は認められなかった。
5.単独・複合症状の発症頻度では,単独症状が大部分を占め,そのうち,関節雑音がほとんどであった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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