小児歯科学雑誌
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小・中学生歯肉炎に対する唾液潜血検査用試験紙のスクリーニングへの応用に関する研究
高須 賀三郎中島 一郎酒井 貫充宮沢 祐夫三宅 洋一赤坂 守人
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1985 年 23 巻 1 号 p. 103-110

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抄録

唾液潜血測定用試験紙は,若年者の歯周疾患の早期発見として,また成人の歯周疾患の治療経過を判断する検策法として,その有用性が報告されている。この研究の目的は,唾液潜血測定用試験紙による調査が,低年齢である小・中学生の歯肉炎のScreeningに有用であるかを決定する事である。76名の小学生および115名の中学生を対象として,Brushing前後の唾液潜血反応,PMA指数,および色度の結果から以下の様な結論を得た。
1.Brushing後の唾液潜血反応とPMA指数との間には,小・中学生ともに有意な相関関係が認められたた。
2.Brushing後の唾液潜血反応(-)と(±)の間にScreening Lineをもうけると,PMA指数15と16を境にScreeningする事が出来た。
3.小学生から中学生にかけて,前歯部歯肉炎は増加している傾向が認められた。
4.小学生の臼歯部歯肉には,出血しやすい萌出性歯肉炎・思春期性歯肉炎と思われる状態が推測され,それは中学生にかけて減少している傾向が認められた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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