小児歯科学雑誌
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1歳6ヵ月児歯科健診に関する研究
第4報:1歳6ヵ月児歯科健診後の生活習慣の変化について
内田 武臼田 祐子伊東 和子山下 登井上 美津子鈴木 康生佐々 竜二
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1985 年 23 巻 2 号 p. 388-403

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抄録

1歳6ヵ月児歯科健康診査における保健指導をより効果的なものにするために,健診後の生活習慣(食習慣・歯みがき習慣)の変化について追跡調査し,検討を加えた。
対象は,保健所の1歳6ヵ月児歯科健康診査を受け,その後3歳0ヵ月まで6ヵ月毎の定期診査を受けた小児266名である。
哺乳習慣の継続者は,1歳6ヵ月で44.7%であり,その後2歳0ヵ月までに哺乳習慣はほとんど断たれていた。
間食摂取に規律性のある者は,1歳6ヵ月で44.0%であり,その後増加の傾向を示し,獲得した規律性は崩れにくいと推察された。間食の内容では,増齢と共に甘味物摂取者が増加し,特に1歳6ヵ月から2歳0カ月にかけての増加が顕著であった。
飲料摂取に規律性のある者は,1歳6ヵ月で32.7%であり,その後著しい変化は認められず,自由に摂取する者の方が多かった。飲料の内容では,主に牛乳のみを与えている者は,1歳6ヵ月で36.5%であり,その後増加傾向がみられた。多量の甘味飲料を自由に与えている者は,1歳6ヵ月で24.4%であり,その後減少傾向にあった。
歯みがきを毎日行なう者は,1歳6ヵ月で37.6%で,その後2歳0ヵ月では73.0%と著しい増加を認めた。実行者については,増齢に伴なって親子でみがく割合が高くなっていた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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