小児歯科学雑誌
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ガラス破折片口底部迷入の1症例
貞森 平樹長畠 駿一郎高木 慎伴 邦晃
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キーワード: 異物, ガラス破折片, 口底部
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1985 年 23 巻 3 号 p. 716-719

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抄録

著者らは外傷により左オトガイ下部から口底部にガラス片が迷入し, 先端が6 遠心部歯肉まで達していた7歳,男児の口底部ガラス片迷入の1例を経験したので報告する。
顎顔面領域は解剖学的に複雑なX線像を示し,ガラス片がX線写真では明確な像を呈しにくいため, 診断に困難をきたすことが多い。本例は口腔内にガラス片の一部が認められ,咬合法撮影でその大きさを判断することができたので,比較的容易に診断を下し摘出することができた。
また本例も含めたガラス片迷入22例について若干の検討を行った結果,年齢は20歳台に多く, 性別に差異はみられなかった。迷入部位は頬部が多数を占め, 開口障害を主訴とし,受傷後約3カ月以内に受診していたものが多かった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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