小児歯科学雑誌
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シーラントの口腔内経時的変化に関する研究
第1報 レプリカ法による三次元的位置再現法の開発
新生 育子立川 義博宇治 寿子竹中 稔中田 稔
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1985 年 23 巻 4 号 p. 917-925

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抄録
窩溝填塞法(シーラント法)の有用性を明らかにするためには,口腔内に予防填塞したシーラントの経時的変化を,長期的観点から,形態的及び定量的に観察することが必要である。このためにはまず,シーラントを填塞した歯面から経時的に採得したレジン・レプリカの同一部位を再現した上で観察することが必須であり,今回はその第一段階として,レジン・レプリカの三次元的な位置再現を行う目的で,新しい方法を開発した。
この方法は,光学顕微鏡の焦点深度を応用して,レジン・レプリカの咬合面に存在する3つの基準点が一定の水平面上に位置するように操作し,さらにこの3点が常に同じ位置になるようにレジン・レプリカを固定して,三次元的に標準化する方法である。
この方法により標準化した経時的レジン・レプリカの同一部位を,SEMにより観察し,さらに表面形状測定機にて得られた同部位の断面形状を,コンピューターを用いて図形的に重ね合わせてみたところ,填塞直後にはシーラントが滑らかなU字型を描いて歯面を移行していたものが, 1 2 カ月後にはシーラントと歯面との境界部で, シーラントの辺縁が陥凹した特異な形態を呈している様相が観察された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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