小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
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心身障害児の咀嚼機能回復法ならびに口腔疾患の予防と再発抑制に関する基礎的研究
第3報全身の機能発達と摂食機能の関連性について
渋井 尚武大出 祥幸河野 寿一杉山 久関本 恒夫間下 喜一斎木 隆上原 正美菊池 進大竹 邦明成田 寛治前田 隆秀山田 博芳賀 定高梨 登深田 英朗
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1985 年 23 巻 4 号 p. 897-916

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抄録
この研究は昭和58年度に東京都の委託を受けて行った,在宅障害児の全身の機能発達と能摂と食の機関連性を調べた本ので,57年度にひきつづいて日木版デンバー式スクリーニング検査,口腔機能障害度調査,口腔内実態調査,摂食機能調査などを実施した。
その結果,摂食機能の発達から見た障害児のカリエス・スコアー,齲歯率,1人平均deft,および齲蝕罹患者率ともに,摂食機能の発達が遅れるに従い高くなる傾向が見られ,また経年的観察による口腔機能の障害度の調査ではほとんどの症例で変化なく,ごくわずかな症例で障害度が重くなったものが認められた。また,全身の機能発達と摂食機能との関連性に関しては摂食時の口腔機能の良好な者ほど全身的発達指数も高く,発達が良好であった。さらに,全身的な発達から摂食機能の発達を推察する場合には,個人-社会の日常の項目および粗大運動の歩みの項目に注意して観察する必要があり,また言語の理解の項目も大切で,言語の発達を促進すれば口腔機能の発達にもつながることが示唆された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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