小児歯科学雑誌
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乳歯歯冠色に関する研究
(II) ライトガイド方式色差計CD-270型による測色
細矢 由美子後藤 譲治
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1986 年 24 巻 3 号 p. 428-437

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抄録
客観的に乳歯の歯冠色を測色する事を目的に,村上色彩技術研究所製ライトガイド方式色差計CD-270型を使用し,2歳4カ月から6歳5カ月(平均年齢4歳3カ月)の小児30名の健全乳前歯の測色を行った。そして,日本電色社製Color and Color Difference Meter 1001DP型を使用した場合との比較を行うと共に,乳歯歯冠色の測色を行う際の問題点について検討した。実験の結果,下記の結論を得た。
1)CD-270型は,色差計内部に濾波器を備えている為,外光による影響を受ける恐れがない。また,測色に要する時間も1001DP型に対し有意に短い。これらの点は,口腔内で測色を行う上で望ましい。
2)a bについては,CD-270型による測色平均値は,どの歯種についても正の値をとり,赤味がかった帯黄色を示したのに対し,1001 DP型の結果は0に近く,極めて白に近い結果であり,歯種による差はほとんど認められなかった。この点について,CD-270型は,ライトガイドの先端の直径が大きい為,歯肉色の影響を受けている恐れがあり,先端を小さく改良する必要がある。他方,1001 DP型の結果は,エナメル質の表面色のみをとらえている恐れがあり,歯牙本来の色の検出という点で疑問があり,明度のみしか検出されていない恐れがある。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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