小児歯科学雑誌
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郡山市の保育園児および幼稚園児の齲蝕罹患状況
上岡 斉増島 純子三田 明佐々木 重夫斎藤 高弘江藤 万平
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1987 年 25 巻 3 号 p. 512-520

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抄録

東北歯科大学の位置する福島県郡山市内の保育園1 0 施設, 1 歳~6 歳の小児5 0 6 例( 男児2 5 4 例, 女児2 5 2 例) および幼稚園4 施設, 4 歳~6 歳の小児4 0 8 例( 男児2 0 7 例,女児201例)の口腔内診査の機会を得た。そして,それらの齲蝕罹患状況および処置状況を調査して次の結果を得た。
1)保育園児では1歳から6歳まで,幼稚園児では,4歳から6歳まで,齲蝕罹患状況は増齢的悪化傾向を示した。
2)どの年齢の齲蝕罹患状況も,保育園児より幼稚園児が悪い傾向を示した。
3)処置状況も増齢的増加傾向を示したが,保育園児より幼稚園児が良い結果を示した。
4)歯種別齲蝕罹患歯率は2歳では上顎乳中切歯,3歳以降では各年齢とも下顎第一乳臼歯または第二乳臼歯が最高率を示した。下顎乳切歯は最低率で,4歳以降もそれほど高率を示さなかった。
5)齲蝕罹患型について,A1型は増齢的変化が少なく,A2型は増齢的に減少し,B型,C型は増齢的に増加する傾向を示した。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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