小児歯科学雑誌
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日本人小児における乳歯・永久歯の萌出時期に関する調査研究
日本小児歯科学会
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1988 年 26 巻 1 号 p. 1-18

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抄録

日本小児歯科学会は昭和58年度(1983)の日本歯科医学会学術研究費の助成を得て,わが国における小児の乳歯,永久歯の萌出時期に関する調査を行った.
調査は,1984年1月より同8月の間に0歳から18歳にある日本人総数46,698名(男子23,610名,女子23,088名)を対象に全国歯科大学(歯学部)小児歯科学講座が中心となって全国的な規模で実施した.
調査は,歯の萌出時期に影響を及ぼし,また,歯種ならびに萌出判定困難な全身的,局所的疾患を有するものは除外し, 一定の判定基準, すなわち, 切端, 咬頭または歯冠の一部が歯肉面より1mm以下での萌出状態にあるものを萌出歯として判定を行った.そしてつぎのような結果を得た.
1)乳歯萌出時期に関しては表2,表3に示す数値を得た.
2)永久歯萌出時期については表4,表5に示す数値を得た.
3)1カ月間隔,6カ月間隔での乳歯萌出率については表6,表7のごとき数値を得た.
4)1カ月間隔,6カ月間隔での永久歯萌出率については表8,表9のごとき数値を得た.
5)乳歯萌出順序については上下顎,また=男女ともA→B→D→C→Eであった.
6)永久歯萌出順序に関しては,男女とも上顎は6→1→2→4→3→5→7→8,下顎は1→6→2→3→4→5→7→8であった.
7)乳歯萌出時期に関する性差では,下顎乳中切歯において男子の方が早く萌出する以外,両者間に差は認められない.
8)永久歯萌出の性差に関しては,一般に女子の方が早く萌出する傾向がみられた.
9)本調査結果にもとついてSchour,Masslerの原図を改変して日本人小児の萌出図表を作製した.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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