小児歯科学雑誌
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本学小児歯科診療室における各種歯冠修復処置に関する実態調査
(II)永久歯歯冠修復処置
細矢 由美子有冨 匡子古澤 潤一城臺 維子清水 裕之梅山 望後藤 譲治
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1988 年 26 巻 3 号 p. 601-610

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抄録
昭和58年度から昭和60年度の3年度に亘り,長崎大学歯学部小児歯科診療室で永久歯歯冠修復処置を受けた患児371名に対して施された永久歯歯冠修復処置1415例について応用状況を調査し,下記の結論を得た.
1.前歯部については, コンポジットレジン充填の応用頻度(85.8%) が最も高かった.
2.臼歯部についても,コンポジットレジン充填の応用頻度(44.2%)が最も商く,次いでインレー(26.4%),アマルガム(23.8%)の順であった.
3.臼歯部については,修復歯面数が1面の場合は,コンポジットレジン充填(53.4%)とアマルガム充填(41.4%)が多用されていた.
4.臼歯部の隣接面を含む窩洞に対する歯冠修復応用頻度は,インレー(71%)が最も多く,次いでコンポジットレジン充填(15%),アンレー(8.3%),アマルガム充填(5.7%)の順であった.
5.コンポジットレジン充填は,齲蝕症第1度及び齲蝕症第2度への応用頻度が高く,それぞれ前歯部の100%と90.1%,臼歯部の92.7%と37.3%に用いられていた.
6.齲蝕症第4度の場合の応用頻度は,前歯部では合釘継続歯(66.7%)が最も多く,臼歯部では,全症例に既製金属冠が用いられていた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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