小児歯科学雑誌
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咀嚼筋活動測定時の表面電極抵抗値について
寳田 貫アルバラード グァダルーペ西田 文彦西野 瑞穂
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1989 年 27 巻 1 号 p. 137-143

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抄録

小児の咀嚼機能, 顎運動を解明する目的で筋電図学的検査がよく行われるが, 小児を対象とした一般検査では操作性の簡便性や心理的ストレスが小さいことなどから,ほとんどの場合表面電極が用いられる。しかし,その際問題となる電極抵抗については詳細な報告が少ない。今回,我々は表面電極抵抗の性状を詳細に観察すると共に,電極抵抗が,記録された筋電図にどの様な影響を与えるかを調べた。被験者は成人男子6名,被検筋は左右側頭筋前腹及び咬筋とした。電極貼布部位を皮膚前処理剤にて処理後,電極径5mmの小型生体電極を電極糊を介し両面テープにて皮膚上に装着した。双極誘導の電極中心間距離は20mmとし,不関電極を前額部に設定,不関電極と各電極間の抵抗値を測定した。測定は日を改めて5回,貼布直後から1分毎に10分間行った。筋活動量はガム自由咀嚼時のオーバオール値をFFT解析により求めた。その結果,
1)側頭筋前腹導出では初期抵抗が20kΩ 以下の場合に初期から安定しており,咬筋では30kΩ 以下の場合,2分以内に安定化した。
2)双極誘導の極間抵抗値が変化しても記録された筋活動量に差は認めず,極間抵抗の大きさとは無関係に筋活動量は一定の範囲内にあった。Key words:筋電図,表面電極抵抗値,FFT解析

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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