小児歯科学雑誌
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外来患者の初診時問診並びに口腔診査による実態調査について
第2報 生活習慣と齲蝕罹患状況との関連
加納 能理子小関 敦子山田 恵子櫻井 聡大西 暢子真柳 秀昭神山 紀久男
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1989 年 27 巻 2 号 p. 467-474

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抄録

昭和56年4月から昭和61年3月までの5年間に東北大学歯学部附属病院小児歯科外来を訪れた患者877名の初診時口腔内所見と問診表から,実態調査を行い前回(昭和46年から昭和51年)の調査と比較したところ,
1)1人平均dftは,どの年齢群においても減少の傾向がみられた。
2)乳児期の栄養方法,離乳開始時期,就寝時の飲食の有無と齲蝕との関係については,人工乳群,離乳開始時期が6カ月以降の群および就寝時の飲食がある群で,dftが有意に高かった。
3)間食習慣と齲蝕との関係については,2歳から5歳で間食の回数が増加するにつれてdftが高くなった。間食の時間を決めていない群,遊びながら間食をとる群は,dftが有意に高かった。
4)刷掃回数とdftとの間には一定の関係が認められなかった。以上より,生活習慣の中で乳歯齲蝕に影響を及ぼす要因として,就寝時の甘味飲料摂取の有無,間食習慣の適否が挙げられることが明らかとなった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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