抄録
トレーニング回数に影響する要因を検索し,トレーニング回数を推定する目的から多変量解析を用いて分析し,以下のような結論が得られた。
1.トレーニング回数決定要因としての影響が大きいものは,小児側に関する要因では,Franklの分類,初診時年齢,歯科治療の経験の有無であった。
2 . 母親を含めた養育環境に関する要因では, 兄弟数, 母親の学歴, 母親の仕事の有無が影響が大であった。
3.小児の性格診断検査に関する要因では,情緒の安定性,個人的安定性,自制力の有無が影響が大であった。
4.トレーニング回数を推定するための要因として,信頼性の高いものは,小児側に関する要因では,Franklの分類,初診時年齢,性別であった。
5.母親を含めた養育環境に関する要因では,母親の学歴,兄弟数,出生順序が信頼性が高かった。
6.小児の性格診断検査に関する要因では,情緒の安定性,個人的安定性,退行的か生産的が信頼性が高かった。
7.27の全要因を総括的にみたものについての重相関係数は,0.823と高く,トレーニング回数を推定するのに信頼性が高い要因であることがわかった。