小児歯科学雑誌
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小児歯科外来における不正咬合患者の動向について
豊島 正三郎森主 宜延清水 久喜奥 猛志西川 千佳子山内 扶美塩野 幸一小椋 正
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1989 年 27 巻 4 号 p. 973-984

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抄録
小児歯科外来における咬合誘導患者を対象に,その実態と動向から,小児歯科における不正咬合患者の特徴と継続状況を決定する要因について検討し次の結論を得た。
1.咬合誘導対象患者は,女子が男子と比較し多数を占め,不正咬合別では,反対咬合者が54.3% と最多頻度を示した。
2.初診時年齢は,特に反対咬合者において3歳未満からみられ,この時期は女子が男子と比較し,特に多数を認めた。
3.初回検査時年齢は,適切な診断が可能な時期と関連し,反対咬合者では3歳時から常に一定し行なわれ,叢生者は6歳より11歳までであった。
4.初診時と初回検査時年齢との差は,反対咬合者において3歳未満で初回検査が見られないこと,叢生者で初診が3,4,5歳の者が6歳以後に検査が行なわれたことが示された。また,動機別では,紹介され来院した叢生者が,他2群と比較し初回検査時期で約2年遅れることが示された。
5.継続状況を左右する要因は,装置使用の有無,不正咬合治療に入る以前の歯科医療対応のありかた,治療内容の具体的指示であることが示された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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