小児歯科学雑誌
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小児のスポーツドリンク摂取状況に関する調査
山本 益枝天野 秀昭三浦 一生長坂 信夫
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1990 年 28 巻 2 号 p. 381-390

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抄録
最近, 小児の食生活にスポーツドリンクが見られるようになってきたが, どの程度浸透しているかについての報告はない.
今回,我々は,広島市及び近郊の3幼稚園,1保育所で,スポーツドリンク摂取状況に関するアンケート調査を行った.有効アソケート数は505名であり,それを基に各幼稚園,保育所別の比較検討を行った.
1)子供がスポーツドリンクを「よく飲む」と答えた人は10%未満,「時々飲む」と答えた人が70%前後であった.
2)「どのような時に飲むか」という設問に対しては,「普段は飲まないが,病気の時に飲む」という回答数が50%前後であり,ついで,「普段は飲まないが,外出した時に飲む」という回筈数が多く,この2つで全体の約70~80%を占めていた.
3)「飲み始めたきっかけ」については,「脱水状態の時に,水分補給に利用できると医師や看護婦にきいて」という回答数が一番多く,約60%を占めていた.
4)齲蝕になりやすい飲物と思われているのは,市販ジュース,炭酸飲料,乳酸飲料であり,ついで,市販天然ジュース,自家製ジュース,スポーツドリンク,牛乳,水・茶の順であった.以上のことから,スポーツドリンクを齲蝕になりにくい飲料と思い,日常的に飲用する可能性がうかがわれた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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