小児歯科学雑誌
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小児歯科外来における顎関節症患者の動向について
アンケート調査による終了患者と中断患者との比較
奥 猛志森主 宜延小椋 正堀 準一大野 秀夫
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キーワード: 小児, 顎関節症, アンケート
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1990 年 28 巻 2 号 p. 518-527

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抄録

我々は,顎関節症患者の歯科医療管理対応の向上を目的とし,当科を受診した顎関節症患者を対象としたアンケートによる追跡調査を行い,以下の結果を得た.
1.アンケート用紙の回収率は,終了患者61.5%,中断患者38.9%であり,平均は50.7%であった.
2.アンケート回答者全員による結果は,治療に入る前,顎関節症についての説明に対して理解した人が60.5%であった.治療中の問題点として,Splintに対して,2.6%が,全く使用できなかったと答え,84.2%は,違和感を感じたものの使用していた.治療時間に対しては,57.9%が治療時間が長いと感じていた.治療終了後に症状の残存もしくは再発がみられた者は,33.3%であり,その内,一時的ですぐ消失した者が22.2%であった.
3.終了群と中断群間で,統計的有意差が認められた項目は,初回説明後の治療に取り組む姿勢,Splintの使用状況,Splint装着時の不快事項の訴え,通院間隔への問題意識の4項目であった.
4.終了群は中断群に比較し,初診時,開口障害を訴えていた者の割合が高頻度を示した.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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