小児歯科学雑誌
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菌交代症を呈した急性リンパ性白血病患児の口腔症状について
篠原 稔小出 武高石 佳知稗田 豊治船越 禧征井上 純一尾上 孝利福島 久典佐川 寛典
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1991 年 29 巻 1 号 p. 144-153

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抄録

急性リンパ性白血病の入院強化療法時に真菌優位の菌交代現象を呈した満7 歳1 0 カ月の男児の口腔内を観察するとともに,口腔常在細菌叢の経日的変化についても検討し,以下の結果を得た.1)抗白血病剤投与による白血球数の減少に一致して,口腔内に歯肉炎が観察された.2)血小板数の減少に一致して,歯肉炎部からの出血が著明に認められ,血小板の輪血と共に改善された.3)末梢血液検査所見の改善と共に歯肉炎は軽快した.4)口腔内総菌数は,感染に対して投与された抗生物質により減少し,真菌優位の菌交代現象が認められた.5)菌交代現象の前後に,歯肉炎症状の著しい変化はなく,典型的なカンジダ性口内炎の症状はみられなかった.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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