小児歯科学雑誌
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乳歯切削エナメル質に対するレジンの接着性(第4報)
サーマルサイクリング試験の影響
細矢 由美子池田 靖子後藤 讓治
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1992 年 30 巻 1 号 p. 1-13

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抄録
牛乳歯切削エナメル質に対し,Scotch BondとSiluxを用いた場合の接着強さに及ぼすサーマルサイクリング試験の影響をエッチング時間別に観察した。さらに既報のPhoto BondとPhoto Clearfil A使用時における結果との比較も行い,下記の結論を得た。
1)接着強さが最も高かったのは,エッチング時間が60秒の場合(63.61±19.64MPa)であった。
2)エッチングなしの場合とエッチング時間が20秒,30秒及び60秒の場合の接着強さ間に有意差がみられ,いずれもエッチングなしの場合が低い値を示した。
3)エッチング時間が10秒の場合とエッチング時間が20秒,30秒及び60秒の場合の接着強さ間に有意差がみられ,いずれの場合も10秒で低い値を示した。
4)サーマルサイクリング群と非サーマルサイクリング群の接着強さをエッチング時間別に比較すると,エッチング時間が10秒と20秒の場合における両群間の接着強さに有意差がみられ,サーマルサイクリング群の方が低かった。
5)サーマルサイクリング群について,Silux群とPhoto Clearfil A群間の接着強さをエッチング時間別に比較すると,エッチング時間が10秒と30秒の場合の両群間の接着強さに有意差がみられ,いずれの場合もPhoto Clearfil A群が高かった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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